6試合連続となる快音を響かせた西岡。首位打者にも躍り出た(撮影・白鳥恵) (セ・リーグ、巨人9-5阪神、2回戦、1勝1敗、4日、東京ドーム)打って、揺さぶって。どの打順に座っても切り込み隊長の名がふさわしい。敗戦も、阪神・西岡の元気な姿が光った。らしさ全開で巨人の新戦力を攻略した。
「これからも嫌らしい選手であり続けたいと思います」
2点を追う六回無死一塁。一走・上本とのエンドランが決まった。直球に力負けせず、投手の足下へ。中前打で一、三塁を作った。6試合連続安打と好調。3打数1安打で、打率・419はセ・リーグ打撃成績の一番上に躍り出た。
「ポレダは球が速くて長打は出にくいけど、何とか後ろに(つなぐ)という気持ち」
この後、一度は追いついた。初対戦のポレダをこの回でマウンドから降ろした。150キロ前後の直球を見せつけていた新助っ人。四回に最初に崩したのも背番号7だ。一死から四球を選び、塁上でしつこく動いた。
「外国人特有のイライラした感じがあったので。1%でも気にしてくれるのなら」
何度もけん制を誘い、焦った左腕のボークで進塁。二塁からも三盗を狙うしぐさで集中力を奪い、マートンの適時打で追撃のホームを踏んだ。六回の安打の後は今季初盗塁。自身が動き回れば、点が入ること証明した。
ポレダは3月28日の前回登板も、DeNAの機動力に苦戦した。平田ヘッドコーチは「かなり走者を気にしていた。DeNAがヒントをくれたし、うちも意識させた」と明かした。対策は十分。揺さぶりをかけられる走者が出塁したことで成功した。「ああやってプレッシャーをかければね。手応えはあったと思う」と、同コーチ。頼れる3番は敗戦に収穫を残した。好調のバットはピーク? そう問われると不敵に返した。
「これがピークか分かりませんよ」
昨季の開幕前に「首位打者」という目標も掲げた。けがに泣いたが、今季こそ。早くも明るいオフを予感させるスタートだ。 (安藤理)
◎…阪神の首位打者は昨年のマートン以来で、日本人では2003年の今岡誠以来となる。2リーグ分立後以降で阪神在籍時に首位打者を獲得した選手は藤村富美男(1950年)、田宮謙次郎(58年)、藤田平(81年)、真弓明信(83年)、バース(85、86年)、オマリー(93年)、今岡誠、マートンの8人
この記事をシェアする