巨人が、今秋のドラフト会議で県岐阜商高の高橋純平投手(2年)を1位指名の最有力候補にしていることが31日、分かった。昨秋の東海大会で準優勝を飾り、今年3月のセンバツ出場が決定的になっている最速152キロの本格派右腕だが、まだ全国的には無名な隠し玉的存在。阪神、中日、DeNAや米大リーグのツインズなど複数球団が調査を進める中、将来のエース候補の獲得に向けて、本格的に動き出す。
昨秋のドラフト1位で将来の主砲候補、岡本(智弁学園高)を獲得した巨人が2年連続で高校生の金の卵をつかみ取る。強固な先発陣の構築を目指して、本気で動き出した。今秋のD1位の本命に挙がっているのが美濃の剛腕県岐阜商高の高橋だ。
「1位指名候補に確実に入ってくるのは、県岐阜商高の高橋と駒大の今永。中でも、高橋に注目している。他のドラフト候補と比べると頭一つ抜け出ているし、まだまだ成長すると思う」と球団関係者が明かした。
現状では全国区とはいえない隠し玉的な存在だが、将来性は十分。1メートル83、76キロのスラリとした体からオーバースローで投げ込む最速152キロの速球は伸び、切れともに威力抜群だ。
2年生エースとして背番号1を背負った昨夏の岐阜大会では、準決勝で敗退。昨秋の東海大会では、4試合33イニングを投げて、自責点1、35奪三振で準優勝に導いた。これまで甲子園の出場経験がなかったが、今春のセンバツ出場は確実となっている。
1年時から直球は140キロ台中盤をマークしていたが、東海大会では球場表示で何度も152キロを計時した。巨人から派遣されていた藤本茂喜スカウト部主任(50)も目撃したという。
「基本は真っすぐとカーブだが、高校生にはそれで十分。この冬に下半身を鍛えていけば、センバツでは155キロが間違いなく出る。タイプ的にはソフトバンクの武田に近い」と同スカウトも高評価を口にした。
学校の始業式が行われる1月7日に初練習する予定。阪神、中日、DeNAやオリックス、楽天、さらには米大リーグのツインズなども注目する中、巨人も藤本スカウトを中心に密着マークを開始する。
「まだセーブして投げている感じがするので、全国レベルで本気を出したときに、どれだけの投球をするのか楽しみ。伸びしろはかなりあるし、どの球団も欲しい存在になるだろう」と球団関係者。今春のセンバツで全国にその名をとどろかせることが確実な高橋の獲得に、リーグ3連覇中の原巨人が全力で臨む。
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