オリックスから国内フリーエージェント(FA)権を行使した金子千尋投手(31)が24日、大阪市内で会見を開き、残留すると表明した。球団側に意思を伝えたこの日、4年総額20億円プラス出来高払いでサイン。年俸5億円で、巨人・杉内俊哉投手(34)と並び現役日本投手トップに。一時は大リーグ挑戦の希望を明かした一方、阪神、楽天など国内球団も獲得に名乗りを上げた沢村賞右腕。元の鞘に収まる形で争奪戦に区切りをつけた。
クリスマスイブに答えを出した。金子は笑みを浮かべながら会見場に現れ、残留を表明した。
「いろいろな球団から素晴らしいオファーを頂きましたが、チームメートと一緒に今年できなかった優勝をしたいという気持ちが勝った。来季もオリックスの一員としてやることを決めました」
この朝、球団に意思を伝え、4年総額20億円でサイン。年俸は今季の2億円の2・5倍となる5億円で、日本の現役投手では巨人・杉内と並び最高額となった。
今季の沢村賞右腕は11月下旬に今オフのポスティングシステムによる米大リーグ挑戦を断念後、阪神、楽天、中日、DeNAなど国内の複数球団と交渉した。金子が次にFA権を取得するのは最短でも4年後の2018年。金子は「(メジャー挑戦への)そういう気持ちはまだ持っています」と話したが、オリックス側は契約中にポスティングでのメジャー移籍を認めない方針だ。
獲得に乗り出した球団の中には金子側に、FA権を取得する前にポスティングを認める条件を提示したチームもあったが、残留を決断した。
その理由は球団側の大型補強も大きかった。中島(前アスレチックス)、小谷野(前日本ハム)、ブランコ(前DeNA)、バリントン(前広島)らを獲得。オリックスは金子の流出を阻止したことで、今オフのストーブリーグでほぼ完勝した。
金子の残留が決まり、西名球団社長は「大変心強く思う」と目尻を下げた。チームは来季、王者ソフトバンクに対抗できる戦力を十分に整えた。「日本人として、日本のプロ野球をもっと盛り上げたい」と金子。沢村賞右腕が猛牛軍団を19年ぶりのリーグ優勝へ導く。 (今竹宏)
★金子に逃げられ…
「非常に残念。しかし、先発1枠が空くから、2軍選手にはチャンスとなる」
「残念だね。選手は自分の評価を聞いてみたいとみんな思っている。それを実践した形じゃないか。勝てるチーム(を選ぶ)ということもある。それがオリックスだったのだと思う」
★10月22日 ワールドシリーズ観戦のため極秘渡米
★同27日 帰国後、米大リーグ挑戦の希望を初めて明かした
★11月11日 国内FA権行使を表明。メジャー移籍の希望も捨てず「すべての可能性を考えたい」
★同20日 日米野球が終了。代理人がオリックス以外の国内11球団にも条件提示を求める逆オファーを出していたことが判明
★同24日 今オフのメジャー挑戦を断念。来季は国内でプレーすることを決めた
★同25日 右肘の手術を受けることを公表
★同29日 神戸市内の病院で右肘骨棘(こっきょく)除去手術。復帰まで約3カ月の見込み
★12月17日 ブログを更新し、複数の国内球団と交渉中であることを明かした
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