何を話しているのか一目瞭然だ。数メートル横には本人たち。自身の名前を聞いた若虎の背筋が伸びていった。「西田、1軍に上がったのは去年だよな?」。直接話しかけながら、平田ヘッドコーチはわざと本人に聞かせるように取材に応じた。
「西田や北條も、ぱっと名前が浮かんでくるようにならないとな」
海外FA権を行使した鳥谷の話題が、来季の遊撃手につながるのは必然だ。今季ファームで遊撃を守った若虎も候補。前2軍監督のヘッドコーチは代表格の2人に期待した。特に、野球教室に同行した西田については強調。本人に聞こえることを前提で声を大にした。
「仮の話をするのはよくないけど、(鳥谷流出なら)絶好の機会なんだから」
鳥谷の後継者として真っ先に挙がったのは中堅・大和のコンバートだ。内野手にとっては寂しい事実。「必要とされる、使ってみたくなる選手になってもらわないと」。西田は今季2軍戦で打率・228も、チームで3番目に多い94試合に出場。将来を期待されていることは明らかだ。
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