純朴な子供の言葉に、正直に答えた。給食でカツカレーを食べながら始まった質問コーナー。ある男子児童が、坂本に問いかけた。
「何歳まで野球をしたいですか?」
笑顔から真顔に変わり、「うーん」と数秒考えてから、返答した。
「40歳までやりたい、かな。だから、あと14年だね!」
今月14日で26歳を迎える。「まだ深くは考えられない」と具体的なイメージこそないが、大きな目標だ。かつての巨人には広岡、黒江、川相(現ヘッドコーチ)ら名遊撃手がいたが、いずれも30代半ばで他のポジションに移った。近年では宮本(元ヤクルト)が38歳シーズンの途中まで遊撃を務め、若い遊撃手を育てたいというチーム方針から三塁へコンバートされた。今季では松井稼(楽天)が遊撃から三塁へ、さらに来季は本格的に外野に転向する。
守備範囲が広く、遠投や状況判断も難しいポジション。名手でも年齢や衰えで遊撃を離れた。ヤンキースのジーターがファンから称賛されたのも40歳で遊撃を守りつづけたからだ。
努力も怠らない。独身の坂本はザバス(明治)のサポートを受け、プロテインやサプリメントで体調管理に努めている。「まだどうなるか分からない。けがしないように一年一年頑張るだけ。少しでも遊撃で長くやりたい」。40歳の大ベテランになっても定位置を守り抜き、巨人の黄金期を築くつもりだ。 (山田結軌)
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