誠意が実る匂いは感じている。だからこそ相手の動きには乗らない。毅然と構える。大詰めに近づいてきている中島争奪戦。球団幹部は、代理人のスコット・ボラス氏(62)から要求された条件のさらなる上乗せを、きっぱり断ったことを明かした。
「(球団内で)もう少し(金額を)積むかという話が出たが、『ノー』といった」
中島の獲得をめぐっては11月末までに複数回にわたり、条件を提示してきた。最長4年の大型契約&三塁手形、さらに背番号「6」も。条件面では、最大限といえる誠意を示している。中島に近しい関係者も「7、8割は阪神に入るだろう」と証言してきた。流れは虎。ただ、ここにきてボラス氏が牙をむき出しにしている。
関係者の話を総合すると、それは1年で億円単位という桁外れの上げ方だという。「(代理人からは)特別な要求はないが、最初に『条件は他の方がいい』といわれた」とは中村GM。古巣・西武など、他の競合球団の存在と条件をちらつかせながら、より高い金額を引きだそうというのが、狙いか。ただ、この手の条件闘争は、契約社会では日常茶飯事。言われればすぐに出す、というわけにはいかない。
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