甲子園球場前の阪神高速のガード下、黒い制服姿で現れた松田は、甲子園署の署員ら約80人を前に、自分の思いをストレートに表現した。
「バッターに向かって真っ向勝負をできる投手を目指します。勝負を左右する場面で投げることもある。(来年は)期待に応えられるように、常に全力で勝負したい」
今季、シーズンを通して活躍できなかった悔しさが込められていた。沖縄・春季キャンプで右肘を痛め、復帰は9月19日の中日戦(甲子園)までズレ込んだ。1軍登板はわずか6試合だった。
ブレークした昨季はリリーフで27試合に投げ、最速150キロを超える速球を披露。新加入した呉昇桓につなぐセットアッパーに期待されていたが、復帰が遅れたことで福原、安藤のベテラン勢の負担が大きくなった。
「けがをせず、(1年間)大事な場面で投げてチームの優勝に貢献できるようにがんばりたい」
キャンプインまで、故郷の長崎や鳴尾浜を中心に体幹を鍛え上げる。セールスポイントの速球に磨きをかけ、1年を乗り切るためのボディーを作るためだ。
「今オフはパワーアップも必要。もっとウエートトレーニングもやっていこうかなと思っています」
屈強な男たちの前で誓った。来季こそは「八回の男」と呼ばれる存在になる。 (三木建次)
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