日米野球を終えた阪神・藤浪晋太郎投手(20)が21日、沖縄から帰阪。今季の沢村賞右腕、オリックス・金子千尋投手(31)から、チェンジアップを直伝されたことを明かした。ソフトバンク・武田翔太投手(21)からは落差のあるカーブを習うなど、3年目の来季へ向け、実りいっぱいの侍ジャパンの日々となった。
育ち盛りの20歳に、また貴重な「参考書」が加わった。プロでは初の侍ジャパン。藤浪が最後に明かした収穫は、沢村賞投手の金子直伝チェンジアップだった。
「変化球のイメージの仕方とかですね。新しいボールもそうですし、チェンジアップや他の球種も教えてもらいました」
帰阪前の那覇空港のロビー。そう語る表情は、充実感に満ちあふれていた。それもそのはず。今季16勝を挙げるなどタイトルを総なめした金子にとって、チェンジアップは決め球のひとつだ。直球と変わらぬ腕の振りから、10キロ程度緩急がついたボールのキレに、メジャー選手から称賛の声があがったほど。器用な晋ちゃんも操るが、超一流のエキスが新たなアクセントになることは間違いない。
実りの多い日米野球だった。武田(ソフトバンク)には得意球の落差の大きいカーブを学んだ。16日の第4戦(東京D)では先発を任され、4回5安打4失点と苦しんだが、一線級の大リーガーとぶつかったことも今後につながる財産になるはず。あとは、3年目の来季にどう生かすか、だ。
今季成績の11勝8敗、防御率3・53に「それは最低限(のライン)だと思ってます」とキッパリ。「180イニングは投げたい(今季163)と思ってます」と続け、「(白星は)自分の力でつかみ取りたい。もっと負けを減らしたいというのもある。もったいない負け方をしたことも多かったので」と腕をぶした。
「もっとしっかり自立して、一本立ちしないといけない。独り立ちできるようにしたい。一つの柱としてやっていかないといけない」
日の丸のエースに必殺球を伝授されるなど、一回りも二回りも成長した13日間。貴重な経験を来シーズンへの飛躍につなげていく。
★制球自信ない
藤浪は21日、午前中に沖縄・宜野湾でMBS系「炎の体育会TV」(放送日未定)の収録に参加。約2時間半、金子、岩隈(マリナーズ)、大谷(日本ハム)とともにストラックアウトに挑戦し、「コントロールが売りのピッチャーじゃないんで。自信はまったくないです」など、苦笑いしながら投げていた。
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