(セ・リーグ、中日6-0阪神、19回戦、阪神10勝8敗1分、5日、ナゴヤドーム)ベテランに完敗や!! 阪神は、49歳の中日・山本昌に5回無得点に封じ込まれ、終わってみれば今季10度目の完封負け。和田豊監督(52)は「こっちの責任」と采配をザンゲした。巨人の優勝マジックは消滅したのに虎は竜に敗れ、再び3位に転落。あまりにも痛い負けや!!
上本、大和らが親子ほど年の離れた山本昌に、また苦杯をなめさせられた。何度、白星を献上するのか。虎キラーという看板に傷をつけられない。窮虎猫をかむ。この姿勢がないのがつらい。今季10度目の完封負け&3位転落でも、和田監督から怒気は感じられなかった。
「主導権を握れんかったな。緩いカーブを使いながら相当緩急をつけてきて、押してはいたけど、もう1本が出ないところで、焦って打ちにいってしまっていた感じがあった」
今季初登板の山本昌に対し、5回90球、5安打無得点。通算48敗目を喫した。一回には先頭・上本の中前打で始まり、犠打&三盗成功で一死三塁の好機を作ったが、相手内野陣が前進守備を敷く中、鳥谷が二ゴロ。上本はクロスプレーや逆に自重することもなく、あっさりと本塁憤死した。
「アウトになるにしても、もうちょっと、いい形でいかなアカンな」
二回以降も毎回走者を出すものの、山本昌の術中にハマってばかり…。五回は先頭・能見が右前打を放ったが、上本が遊ゴロ併殺に倒れ、続く大和が左翼線二塁打というチグハグぶりが浮き彫りになった。
六回以降も4人のリリーフ投手を打ち崩せず、まさかの零封負け。だが、チャンスがなかったわけではない。和田監督も「ここは、こっちの責任」と采配にザンゲした。
D5位・祖父江(トヨタ自動車)に代わった六回無死一、二塁だ。2点ビハインド。およそ1カ月ぶりにスタメン起用した新井が、空振り三振に倒れた。ここは代打で送りバントの手もあったはず。
「(塁が)詰まっているだけに、進める打撃よりも返す打撃をしてほしかったし、そういう勝負に出たから」。この六回、代打攻勢も中途半端で関本や福留らを使うことなく敗れた。
相手と比較するようだが、中日野手陣は三回まで能見に抑えながらも四回にワンチャンスをものにし、2点をもぎとった。マサさんのために-。竜戦士の誰もがそう思っていた。クライマックスシリーズ出場が絶望的となった5位に低迷するチームの勢いじゃなかった。
さらに、試合後の指揮官の声に、トゲがまったく感じられなかったのが怖い。
「きょうは攻めたけどな。ダメだった」と新井の強攻策を肯定しようとしたが、結果ではなく内容を自己評価する時期は、とうに過ぎた。
中日戦の連勝も「5」で止まった。くしくもこの日、巨人がヤクルトに敗れたため、Gの優勝マジックが消滅。次カードから甲子園で巨人、広島を迎えるが、首位との3・5ゲーム差が詰まらない。マサの呪縛。ナゴヤの鬼門。そんなことが話題になるようでは、9年ぶりの優勝はできない。 (阿部祐亮)
「さすがというか、ボールの使い方、誘い方がうまい。うまいな、で終わってはダメだけど。うまく(打線を)つなぐことができなかった」
◎…阪神の完封負けは8月28日の巨人戦(東京D、0-4)以来、今季10度目。中日戦では5月7日(ナゴヤD、0-7)以来、今季3度目。
◎…中日・山本昌に白星を許したのは2012年10月3日(ナゴヤD、1-4)以来702日ぶり。中継ぎとして2番手で登板し、3回を0点に抑えられた。先発としては同年4月15日(甲子園、0-3)以来、873日ぶり。
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