指揮官はせわしなく動いた。内外野、打撃ケージ、ブルペンへと。リーグ戦再開を翌日に控えた甲子園での全体練習。西岡&福留が合流し、新たな顔ぶれとなった戦力図を見渡し、和田監督が拳を握りしめた。
「状況的には、プラスマイナスなしというところで、開幕と同じ気持ち。もう1回、開幕のつもりでというのはある」
9勝15敗と惨敗した交流戦で、最大「9」あった貯金を使い果たした。34勝34敗、勝率5割。文字通り「0」からのスタートに「もう1度、風を吹かせないといけないし、雰囲気も盛り上げないといけない。流れも持ってこないといけない」と危機感をにじませながら、進軍ラッパを鳴らした。
首位・巨人とは、今季最大の5・5ゲーム差を引き離されている。そう、何が何でも、立て直さなければならない。契約最終年となる3年目。「優勝宣言」をしながらW杯1次リーグで敗退したサッカー日本代表のFW本田圭佑(28)=ACミラン=のように有言不実行では、もう後がない。
24日には坂井信也オーナー(66)=阪神電鉄会長=と会談。和田監督は「これから…という話をした」と総帥を前に巻き返しも約束した。
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