重苦しい空気が漂うイトゥのキャンプ地に、ボールを蹴る音が響いた。1次リーグ敗退から一夜明けた練習場。4年後に向け、早くも若きサムライたちの輪ができた。
「すぐに切り替えるのは難しいけど、もうスタートしていると思っている。そういう意味でみんなでやりました」
FW清武が説明した。2018年ロシアW杯では中核として期待されるロンドン五輪世代。MF山口の「ちょっと(練習を)やるっしょ!」の呼びかけに清武やFW斎藤、DFの酒井宏、酒井高やGK権田らが反応。チームでの食事や取材対応以外に予定のなかった午前中、ボール回しなどで汗を流した。
今大会はFW本田やDF長友ら08年北京五輪出場メンバーが中心だったが、世代交代は間違いなく進む。今後は44年ぶりに4強入りを果たしたロンドン五輪組が主力を担うことになる。「自分たちの代が中心になってやらないといけない気持ちが強い。試合(コロンビア戦)が終わったときからみんな、4年後に向けて頑張ろうと言っていた」と清武が前を向いた。
1トップ候補だった2人は、次回大会でも定位置を争うはずだ。FW大迫は「次は僕らが中心にならないと駄目だ」と語気を強め、FW柿谷も「自分が先頭に立ってやりたいと思った選手は何人もいる。僕もその一人」と言う。
「次に向けて進んで行かなくちゃいけない」と山口。ブラジルW杯では悔しさを味わったが、後ろは振り返っていられない。4年後への戦いは始まっている。
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