■4月1日
14+16+17。巨人の開幕3連戦計47安打はプロ野球新記録だそうだ。巨人打線はスロースターターで例年この時期は貧打に苦しみ、2012年の開幕直後には5試合で1点しか取れず、うち3試合連続完封負けもあった。それがいきなりの打線満開。阪神との開幕シリーズでは01年以来、13年ぶりの勝ち越しだった。 巨人が勝った開幕戦の「12-4」、3回戦の「12-3」というスコアには緊迫感のかけらもなく、「さあ始まった」という高揚感も一気に萎えた。日本テレビの視聴率(関東地区、ビデオリサーチ調べ)も開幕戦(28日)がやっと10・0%で、2回戦(29日)6・2%、3回戦(30日)8・1%と低調だったのもうなずける。
阪神は開幕前から不安視された投手陣が悪すぎた。西岡と福留が打球を追って激突し、西岡が救急車で搬送された事故は仕方ないにしても、それ以前にもう少し締まったゲームを見せられなかったのか。どこから見てもセ・リーグ一の圧倒的な戦力を誇る巨人を、いきなり目覚めさせてしまった責任は重い。
開幕前、各マスコミで評論家諸氏があげた優勝候補はセが巨人、パはソフトバンクがほとんど。阪神がせめて2勝1敗と勝ち越したら、評論家予想は裏切れないまでも少しは面白くなったかもしれない。巷では「これじゃ巨人がそのままいってしまう」との声も聞かれ、たった3試合でセは先が見えてしまった感じだ
パでは本命ソフトバンクとともに楽天も開幕3連勝した。セの巨人1強に対しパは2強が今季の図式か。結局、金に糸目をつけず外国人中心に大型補強したチームばかり。わかりやすいとはいえ、球趣という面では考えさせられる。 (今村忠)