遠藤の祖父、勇さん(72)は故郷の石川・穴水町で先代から受け継ぐ「遠藤清一商店」を営み、日本で2軒しかないという「海ごりの佃煮」を手作りしている。海ごりは国内沿岸に生息するハゼの仲間で能登限定の珍味で、4月10日に漁が解禁となる。今年は産地の魚類を扱う通販会社がインターネットで「遠藤関のおじいさまがつくる海ごりの佃煮」(450グラム)の商品名で昨年にはなかった予約販売を開始する。遠藤も楽しみにして育った春の味まで間もなくだ。今場所は上位10人と総当たりする孫に、勇さんは「けがだけが心配。(勝っても)おごったらいかん」とエールを送る。
2月のバレンタインデーには部屋に段ボール5箱のチョコレートが届いた。ホワイトデーのこの日、「勝ててよかった」。贈ってくれたファンへ白星のお返し。スイートな笑顔がよく似合う。 (奧村展也)