英国人F1ドライバーのジェンソン・バトン(34)とモデルの道端ジェシカ(29)が婚約したことが22日、分かった。「妻子との死別を恐れてアクセルを踏めなくなるから」と現役中の結婚に消極的だったバトンの背中を押した人がいる。先月、急死した父・ジョンさんだ。お目にかかったのは昨年10月に鈴鹿で行われた日本GPが最後となったが、その際も「ジェシカは今まで交際した中で最も息子にふさわしい女性」と目を細めていた。
バトンはかつて、有名な伯爵の末裔(まつえい)であるモデルと交際。だが、上流階級の女性には世界を転戦する多忙な生活が理解できず、「私とF1のどちらが…」と問われて破局した。道端と交際を始めた2008年の末、所属していたホンダがF1から撤退した。
「もうF1には乗れないのか、と落胆した息子をジェシカが支えてくれた。一方で息子が一人になりたい時には、そっと脇で見守る。そんな思いやりがありがたかった」
自らの手で息子をF1の世界王者に育て上げ、2人の結婚を誰よりも望んでいた父。孝行したい時に親はなし-。バトンはそんな言葉をかみしめているに違いない。(モータースポーツ担当・石原有記)