阪神秋季キャンプ(9日、安芸)「日本一の三塁コーチ」がついにベールを脱いだ。阪神・高代延博内野守備走塁コーチ(59)がベースランニングのメニューで初めて三塁コーチボックスに立ち、実戦的な指示を送った。
「まだ始まったばかりですから。今の時点では何もありません」
落合政権下の中日や、連覇した2009年の第2回WBCで三塁ベースコーチを務めてきた。まだまだとばかり、多くを語らなかったが、その姿が雄弁だった。
定位置に立つと「ストップ!! ゴー!!」と大声が響きわたった。さらに身ぶり手ぶりを交え、積極的に指導。静かだった安芸球場が突然、にぎやかになった。緩慢な走塁を行った小豆畑の尻をけり飛ばすなど熱く、激しく若虎を鼓舞した。
「まずは三塁コーチが代わって、ジェスチャーであったり、声を(選手に)わかってもらうと。(高代コーチは)大きな声を張り上げて、体を全部使う三塁コーチ」とうなずいた和田監督。走塁革命は今季も掲げたテーマだが、未完のまま終わった。V奪回へ来季こそ「走れる虎」へ変わる。そこに三塁コーチボックスに立つ高代コーチのタクトは、不可欠だ。(柏村 翔)
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