2006.02.19 更新
スケート今井が引退表明−1500メートル日本記録保持者
男子1000メートルでゴールした今井裕介。21日のレースが最後となる=オーバルリンゴット(共同)
【トリノ18日共同】スピードスケート男子1500メートルの日本記録保持者、今井裕介(28)=群馬県連盟=が18日、トリノ五輪を最後に引退することを明らかにした。今井は同日の男子千メートルで20位に終わった後、「(21日の)1500メートルが最後になる。いいスケート人生だった。次の人生を考えないと」と話した。
長野・臼田中時代からスピードスケートとショートトラックで注目された今井は、五輪初出場の1998年長野大会で1000メートル11位、1500メートルは16位。02年ソルトレークシティー五輪出場を果たしたが、当時所属していた会社のスケート部が廃部となり、複数のスポンサーから支援を得る形で今回、五輪3大会連続出場を果たした。
★いいスケート人生だった−20位の今井、引退を表明
「強いっすね。あの中で戦える選手になりたかったけど…。そこまでの選手だったということ」。3度目の五輪で20位。今井はすっきりした表情だった。
スタートからスケールの大きな滑りが影を潜め、伸びがなかった。上位進出の目安としていた「1分9秒台」に届かず、1分10秒48でゴール。この時点で9位。メダルは夢と消えた。
長野・臼田中時代から注目された逸材は、前回のソルトレークシティー五輪で大きな挫折を味わった。所属先スケート部の廃部を直前に知り、動揺を抑えきれずに惨敗した。
この4年は失業状態から始まった。スポンサー探しに奔走し、トレーニングで出遅れた。昨季から500メートルの清水宏保(NEC)とトレーニングするようになり、五輪で再び上位を狙う自信をつかんだかに見えたが、現実は厳しかった。
ウオーミングアップから変だった。「やるべきことはやった」と言いながら、ほぼリンク1周ごとに、コーチの指示を仰いだ。不安が透けた。
ソルトレークシティーで流した涙はなかった。「もう少しスピードが出てるかと思ったけど…。不思議な感じ」。21日の1500メートルが現役最後のレース。その繊細さゆえに勝負師になりきれなかった28歳は「4年前からいろんな人に支えられ、スケートができるありがたみを感じた。いいスケート人生だった」と結んだ。(共同)

