2006.02.19 更新
今井も20位と惨敗−男子1000メートル
エース今井もメダルに届かず。日本のゼロの屈辱が続く(撮影・尾崎修二)
今井も散った。スピードスケート男子1000メートルで、日本期待の今井裕介(28)=群馬県連盟=は1分10秒48の20位に終わった。今季のW杯同種目で2位1度、3位1度の実績を誇る日本のエースが、五輪の壁に跳ね返された。複数のメダル獲得が期待された日本スケート陣だが、大会9日目を終えてメダルなし。依然として光は見えない。
◇
日本選手団の期待を背にした今井が、懸命に両腕を振り、両脚を伸ばしたが、メダルには遠く及ばなかった。「やるべきことはやった。あとは力を出し切るだけ」と話して勇躍出陣したが、長野、ソルトレークに続く3度目の五輪でも、外国勢のパワーに屈した。
4年間、この日のために努力をしてきた。1500メートルで当時の世界ランク2位の記録を引っさげて臨んだ前回ソルトレーク大会では、押しも押されもせぬメダル候補だった。ところが、当時所属していた「メッツ」が五輪直前にスケート部の廃部を決定。精神的ショックに腰痛も重なり、1000メートルで15位、1500メートルで34位に惨敗した。
その後は、従来の企業スポーツから脱却し選手自らがマネジメントを手掛ける「チームディスポルテ」を設立。スポンサー探しに奔走した。当初は資金難で「スケートどころではなかった」と振り返るが、地道な活動が徐々に実を結び、ニコンや大相撲の横綱朝青龍が所属する高砂部屋など5社のスポンサーを獲得するまでに至った。チームディスポルテ所属の五輪代表は今井を含めて3選手。今井が着手した新たな試みは成功した。
昨季から長野五輪男子500メートル金メダルの清水宏保(NEC)と一緒に練習をしてきた。清水のスプリント能力を取り入れ、4歳年上の「王者」のメンタリティーにも触れたかった。「スケートへの姿勢、心構え、練習内容。すべてが勉強になった」。心技体を磨いてレースに臨んだが、力を出し切れなかった。
依然として日本のスケート陣のメダルは0。1つもメダルを獲れない悪夢が現実となる危機に直面している。今井には21日の1500メートルが残されている。雪辱を胸に再度リンクに立つ。地獄を見た男が、日本の救世主になることができるか−。
(片倉尚文)
★日本勢ふるわず
日本勢4人はメダルに遠く及ばなかった。日本の最高は今井の20位。スタートで失敗した中嶋敬春(日体大研究員)は1分11秒10で27位、牛山貴広(エムウエーブ)は1分11秒21で28位、長島圭一郎(日本電産サンキョー)は1分11秒78で32位だった。長島は「悔しい。五輪は雰囲気もみんなの緊張感も、ほかの大会と全然違う」と悔しそうに語った。
★メダルが遠い…
★及川が4位 13日の男子500メートルで世界記録保持者の加藤条治がまさかの6位に敗れ、五輪2大会連続メダリストの清水宏保も18位に失速。日本勢最高は伏兵の及川佑だった。1回目4位になり、メダルの期待を一身に受けた2回目は全体5位で、合計では4位。0秒13差で銅を逃した
★朋ちゃんも4位 翌14日の女子500メートルで長野五輪銅メダリストの岡崎朋美が1回目3位でメダル圏内につけたが、2回目で中国の任慧に逆転を許し、わずか0秒05差でメダルを逃した。日本記録保持者の大菅小百合は8位にとどまった
★悲劇の転倒 新種目の女子団体追い抜きで、田畑真紀を主軸とした日本は、準々決勝をノルウェー選手の転倒による棄権で勝ち上がると、16日に準決勝で敗れたがロシアとの3位決定戦へ。3周まではリードしていたが、4周目で大津広美が転倒し4位。またもメダルを目前で逃がした

