2006.02.14 更新
朋ちゃん風邪治ってスマイル復活!さあメダルへ出陣
乾燥は禁物。練習前にリップスティックを塗る岡崎。驚異の回復力で風邪を退治した(撮影・尾崎修二)
朋ちゃん、元気に出撃だ! 日本代表選手団主将でスピードスケート女子500、1000メートル代表の岡崎朋美(富士急)がきょう14日(日本時間15日午前零時スタート)の500メートルに臨む。選手村入り後、風邪をひいて調子を崩したが、驚異の回復力で本番に間に合わせた。98年長野大会以来2大会ぶりのメダル獲得へ、4度目の大舞台を迎える34歳のベテランが、完全燃焼する。
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泣き言は言わない。神様が与えた、いまある状態でベストを尽くす。岡崎が、8年ぶり2個目のメダルを目指して、500メートルのスタートラインに立つ。
この日の前日練習は軽めの内容。氷の状態、自身の体調を確かめるようにゆっくりと体を動かして、最終調整を終えた。「体調はかなりよくなってきた。のどの痛みが残っていて呼吸がちょっと苦しいですが、短距離だから大丈夫です」。練習後、岡崎は広報を通じて強気のコメントを出した。岡崎を16年間指導する富士急・長田照正監督(56)も自信をもって送り出す。「岡崎は90%の状態にまで戻った。34歳、悔いのない結果を残してほしい」と明るい表情を浮かべた。
1週間前はどん底だった。7日に五輪会場で行われた記録会で、岡崎は38秒93の平凡なタイムで5位。その後にミックスゾーンに現れたときの姿は、あまりに痛々しかった。ホオがこけ、目の下にはうっすらとクマができ、声はガラガラ。いつもの明るい笑顔はなく、この時ばかりは憔悴しきっていた。
「一番やってはいけないことをやってしまいました。のどをやられて、鼻風邪も引いてしまった。室内と外の温度差が激しいので、気をつけていたのに…」
遠征の際には常に加湿器を携帯するなど、体調管理には人一倍気を使う岡崎が、最高の舞台を前に犯してしまった痛恨のミス。今季はトリノ入りするまでに順調に調整を進めていただけに、そのショックは大きかった。
だが、落ち込んでいた気持ちはその3日後に晴れた。10日に行われた開会式。冷え込んだ夜に屋外競技場で開催され、体調悪化が懸念されたが、岡崎は自らの判断で“強行参加”。選手団主将としての務めをキッチリ果たした。満員の観衆から惜しみなく送られる大声援。自然と朋ちゃんスマイルが戻ってきた。
「大歓声を全身に感じて元気が出た。パワーをもらいました」。五輪の熱気が最高の薬。自然治癒のエネルギーが、体の芯からわきあがった。
もともと、体は頑強だ。北海道・斜里郡清里町の酪農一家で育った自然児。「動物が友達のような環境で育ったので免疫力が強いんです。風邪をひいてもすぐに治る。スリ傷なんてペロっとなめて治してましたから。だから、ここまで現役を続けていられるんです」。00年に腰にメスを入れた。日本スケート界では初の試みで、再起を懸念されていたが、完全治癒させて4度目の五輪にたどり着いた。
風邪なんかに負けるはずがない。さぁ、トリノのリンクで、あの輝く笑顔をみせてくれ!
■岡崎 朋美(おかざき・ともみ)
1971(昭和46)年9月7日、北海道・斜里郡清里町生まれ、34歳。小4でスケートを始める。釧路星園高ではインターハイ4位が最高と、全国的には無名の存在だった。90年に富士急入社、92年真駒内選抜で優勝し、初のW杯代表となる。94年リレハンメル五輪500メートル14位、96年2月のローズビル大会でW杯初優勝。98年長野五輪500メートル銅メダル、1000メートル7位。02年ソルトレークシティー五輪500メートル6位。昨年1月のW杯カルガリー大会で5年ぶりの優勝。W杯通算12勝は日本女子最多。1メートル64、57キロ。
| 岡崎朋美・五輪全成績 | |||
|---|---|---|---|
| 年・月・日 | 大会 | 種目 | タイム(順) |
| 94・2・19 | リレハンメル | 500m | 40秒55(14) |
| 98・2・13 | 長野 | 500m | 38秒55(3) |
| 14 | 500m | 38秒55(3) | |
| 【銅メダル獲得】 | |||
| 19 | 1000m | 1分18秒27(7) | |
| 02・2・13 | ソルトレークシティー | 500m | 37秒77(7) |
| 14 | 500m | 37秒87(6) | |
| 【6位入賞】 | |||
| 【注】500mは長野大会から2本の総合タイムで順位を競う | |||
★大菅、吉井ら意欲満々
日本記録保持者・大菅小百合(25)=日本電産サンキョー=は絶好調の状態で2度目の冬季五輪に挑む。年明けにスケートの刃を異なるメーカーのものに替えたことが的中。先月の世界スプリント選手権(オランダ)500メートル2回目で3位、7日の記録会でも38秒54で2位になった。前回ソルトレークシティー大会はスタートに失敗して12位。「4年前とは違う。自分を信じて頑張るだけ」と意欲満々。初の五輪に挑む吉井小百合(21)=同=も上昇モード。7日の記録会は39秒00で6位に終わったが、「調子は戻ってきている。目標は残り400メートルを誰よりも速く滑ること」と自信をみせた。

