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2005.12.12 更新

 

加藤、トリノ制す!本番と同会場で“予行演習”

加藤条治

グングン加速。五輪リンクで2レース目。早くも感触をつかんだ加藤の滑り(撮影・奈須稔)

ひとあし早く、トリノでVだ! 来年2月のトリノ冬季五輪スピードスケート会場「オーバルリンゴット」でのプレ五輪大会男子500メートルで、世界記録保持者の加藤条治(20)=日本電産サンキョー=が35秒29で優勝した。加藤は今季ワールドカップ(W杯)4戦ぶり3勝目。五輪本番リンクでの優勝は金メダル獲得に向けて、最高の自信となる。長島圭一郎(23)=日本電産サンキョー=は6位、及川佑(24)=びっくりドンキー=は7位。清水宏保(31)=NEC=は35秒99で15位だった。

次元が違う。地力が違う。トリノ五輪のリハーサルだ。表彰台のド真ん中。そこに、加藤が立った。開幕戦で世界新を叩き出したW杯前半を最高のかたちで締めくくった。

同走した元世界記録保持者ウォザースプーン(カナダ)の追撃をかわし、貴重なW杯3勝目。タイムは2位になった1レース目(9日)の35秒23に0秒06及ばなかったが、2位ドロフェエフ(ロシア)に0秒03差をつけての快勝劇。

加藤条治

本番のリハーサルだ。トリノでV。2カ月後も頼むぞ!(撮影・奈須稔)

「五輪のシミュレーションの意識はまったくなかった。みんなも疲れているけど、自分も疲れている。大きなミスはなかったけど、小さいミスが出ていますね。ウォザースプーンの気配を感じたので、最後は粘ったけど、それがなければ、2位か3位だったと思う」

疲労はピークに達している。11月7日に日本をたち、北米で4戦をこなしてイタリア入り。1カ月以上の海外生活、W杯初戦で世界記録の34秒30をマークした反動。「日本に帰ったら道具と滑りを直さないと…」。課題も抱えたまま、今大会に臨んでいた。

だが、五輪リンクで行われたプレ大会。2カ月後の本番をにらんだ大切なレースで、その強さをライバルたちに見せつけた。「2位」と「優勝」。さらに、強豪海外勢の力を実感できたことも収穫だ。「勢いがあるのは中国、韓国勢。力があるのはウォザースプーンかな」。

勝利を決めた後、フェンス際で観戦していた自動車F1ドライバーの佐藤琢磨(28)のもとを訪れ、祝福も受けた。「氷上のF1男」が晴れやかに突き上げた右拳。本番でも、このシーンがきっとみられる。


■今後は

加藤はW杯に出場した他の選手とともに13日に帰国。五輪代表最終選考会の全日本スプリント選手権(27〜28日、長野)に出場する。五輪年の06年は世界スプリント選手権(1月21〜22日、オランダ、W杯(1月28〜29日、イタリア・コラルボ)に出場して、トリノ入り。最後の調整をして、トリノ五輪男子500メートル(2月13日)に備える。

■スケート競技

スピードスケート、フィギュアは11日、ショートトラックは12日からスタート。金メダルの期待もかかる世界記録保持者の加藤条治、長野五輪金、前回ソルトレークシティー五輪銀メダルの清水宏保が出場するスピード男子500メートルは日本時間14日未明に決勝。日本勢のメダルの可能性もある女子フィギュアは、同22日未明にショートプログラム、同24日未明にフリーが行われる。


加藤の今季W杯・500メートル成績
月・日 タ イ ム 順位 開催地
11・19 ※34秒30 1位 米ソルトレークシティー
   20  34秒45 1位
   26  36秒47 19位 米ミルウォーキー
   27  35秒32 7位
12・ 9  35秒23 2位 イタリア・トリノ
   11  35秒29 1位
【注】※は世界新記録
吉井小百合

★吉井、1000メートルも内定

女子1000メートルで吉井小百合(日本電算サンキョー、顔写真=共同)が日本勢最高の7位。吉井はW杯得点ランクで10位から8位に浮上。前日の500メートルに続き、規定により21歳の若きエースがこの種目でも、トリノ五輪代表に内定した。同じチームに所属する同期入社の加藤が表彰台に立ち、「自分も納得がいくレースをしたかった」と連日の朗報にニッコリ。

★女子3000メートルは3枠

トリノ五輪スピードスケート女子3000メートルで、日本は前回のソルトレークシティー五輪に続いて最大の出場枠「3」を、10日までのW杯の結果で確保した。五輪代表は全日本選手権(21、22日、長野)で決まる。