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2006.02.12 更新

 

童夢&メロ、日本五輪史上初の兄妹連日メダルだ!

成田童夢

2人そろって開会式に参加。童夢は日の丸の小旗を振りながら、兄妹の表彰台ジャックを誓った(AP)

トリノ(イタリア)11日】 兄妹で連日の表彰台だ! メダルへの期待種目、スノーボード・ハーフパイプ(HP)男子・成田童夢(20)=キスマーク=がきょう12日、出陣する。あす13日の予選、決勝に臨む妹・今井メロ(18)=ロシニョール・ディナスターク=の先陣を切り、まずは兄がメダルをゲット。妹に最高のエールを送り、日本五輪史上初となる兄妹同時表彰台を実現させる。

思いのすべてをぶつけるときが、やってきた。本番会場のバルドネッキアでの最終調整を終えると、成田の興奮はすでに最高潮。20歳の成田らしい言い回しでメダル奪取を宣言だ。

「開幕2日目。日本代表としてデカイ花火を打ち上げて、後に控える選手たちにつなげていきたい」

98年長野五輪。妹・メロとともにHPの前走者として参加した。あれから8年。兄妹でずっと夢見ていた大舞台が、もうすぐそこにある。

今井メロ

メロウ720で勝負するメロ。日本五輪史上初となる兄妹同時表彰台を夢見る(撮影・奈須稔)

2人は父・隆史氏(56)が監督を務める「夢くらぶ」の看板選手だった。水上スキー・ウエークボードの国際審判の資格を持つ父から、それぞれ「夢」の文字を入れた名前を授けられ、「家庭愛」を合言葉にスノーボードに汗を流し、一流のアスリートに成長した。「成田兄妹」として、メディアにはいつもいっしょに取り上げられた。

ところが、五輪イヤーを前に家庭騒動が起こった。指導法などをめぐり、父と意見が対立した兄が、6月に大阪市内の家を飛び出す。メロも用具スポンサーとの契約交渉が難航し、新たなスポンサーが見つからず、一時は内定取り消し騒ぎになり、7月に“家出”。実母・今井多美江さん(47)のもとに身を寄せた。「夢露(めろ)」の名前を捨て、メロに変えた。だが、それぞれが独立し、名字が変わっても、2人の絆はこれまで以上に強いものになった。

ワールドカップ開幕直前の9月、山梨県内で行われた代表合宿。すでに五輪内定を得ていたメロは、代表の切符を狙う兄に必死のアドバイスを送っていた。「全然、高さが足りないよ」「その回転じゃダメだよ」。そこに仲のいい兄妹の姿はない。兄とともにトリノに行きたい、そんな思いが厳しい口調になった。

開会式には2人そろって参加。童夢は日の丸の小旗を振りながら、興奮で顔を赤らめた。最高の理解者もやってきた。母・多美江さんが11日に現地入り。独立とともに指導者を失っただけに、母の姿を見ることだけでも元気百倍だ。

史上初の兄妹同時表彰台を目指して、まずは童夢が出陣。そして、13日に予選、決勝に挑むメロは「自分のベストを尽くし楽しく元気いっぱいに滑ります。最後に笑顔で終われるように頑張ります」。2人がともに表彰台に立ったとき、波乱にとんだ兄妹のドラマが完結する。

(ペン・伊藤隆、片倉尚文、坂本万里雄)

童夢・メロ兄妹比較表
成田童夢氏名今井メロ
1985・9・22(20)生年月日1987・10・26(18)
大阪・大阪市出身地大阪・大阪市
キスマーク所属ロシニョール・ディナスターク
1メートル62、58キロサイズ1メートル54、48キロ
1080得意技メロウ720
2002・12・14
カナダ・ウィスラー大会
W杯
初優勝
2005・2・26
韓国・星宇大会
2度W杯優勝3度
4戦1勝今季W杯3戦1勝

■1080(テン・エイティ)

童夢が得意とする。ボードのテール(後ろ部分)を先にして空中に飛び出し、横に3回転する。テン・エイティは1080度(360度×3回転)の意味。童夢は逆向きに踏み切るので、「キャブ1080」という難度の高いものだ

■童夢のライバル

最強といわれるのが、ショーン・ホワイト(米国)。ふだんはW杯に出場せず、賞金レース・Xゲームで戦う。トリノ五輪の国内選考会では5戦5勝するなど、圧倒的な強さを誇る。ケリー・クラークらの米国勢、フィンランド勢も強力だ。

■メロウ702

メロの勝負技。フロントサイド(つま先側のエッジ)で雪面をのぼって空中に飛び出し、屈伸から伸身に変化しながら、体を縦に1回転、横に2回転して着地する。メロウは自分の名前、セブンは720度(360度×2回転)の意味。

■メロのライバル

世界選手権覇者アンティ・アウティ(フィンランド)、ハナ・ティーター、ブレイラーら選手層の厚い米国勢は強力。メダルをうかがうメロだが、予断は許さない。

★国母、山岡もメダル圏内

男子のメダル有力候補の1人、17歳の国母和宏にも注目だ。今季W杯2勝を挙げ、米国のトッププロが集うUSオープンで2位の実績もあり、金メダル候補ショーン・ホワイトからも一目置かれる存在。前回五輪5位の中井孝治も実力者。

女子は03−04年季W杯総合優勝の山岡聡子が今井メロと並ぶ二枚看板。先月末に米国の賞金大会、Xゲームでも3位に入り、メダル圏内にいる。伏見知何子も今季W杯で1勝を挙げている。