2005.12.12 更新
中島が代表当確初V…HPに咲いた27歳
遅れてきた新星登場!中島が初優勝で、トリノ五輪代表内定をほぼ確実に(AP)
スノーボード・W杯第4戦(10日、カナダ・ウィスラー=国際電話)新星現る! 来年2月のトリノ冬季五輪代表を巡って激しい争いが続くスノーボード・女子ハーフパイプ(HP)で、中島志保(27)=ヨネックス=が40.7点で自身初優勝を飾り、同五輪代表内定を確実にした。すでに内定している今井メロ(18)、山岡聡子(31)に隠れていたが、昨季ワールドカップ(W杯)種目別6位。五輪開幕まで2カ月を切った時期に、“第3の女”が名乗りをあげた。日本女子が上位5位までを独占した。男子は国母和宏(17)=北海道・登別大谷高=が第3戦(スイス)に続いて連勝した。
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表彰台だけでは足りない。日本勢が1位から5位までズラリと名前を並べた大混戦のなかで、中島が表彰台の真ん中に立った。五輪代表に内定している今井、山岡が予選落ちした大会で、伏兵が一躍ヒロインとなった。
「パイプの状態は悪かったけど、あれこれ考えず自分の滑りだけを考えた。自分の力を100%出せた。(優勝の喜びは)言葉にできない」
難しいコースだった。幅が通常より狭く設定され、左右の状態が微妙に違う。気温の上昇もあって雪面も軟らかくなり、スイス選手が2度も転倒する中、難度の高い「フリー720」などを次々と決めて、高得点をマーク。04−05年シーズンからW杯に参戦して、やっとつかんだ世界の頂点。この結果が、夢の五輪ロードへ導きそうだ。
27歳。苦労人だ。子供のころに家族とともにスキーを始め、スノーボードと出合ったのは18歳のとき。スキーと違う魅力に引き込まれて本格的に取り組むようになったが、周囲に指導者がいない環境。スポーツ店でアルバイトをして費用を工面し、アドバイザーを求めて岐阜から新潟まで通い、時間をかけてテクニックを身につけた。W杯で優勝するまで、9年の時間がたっていた。
女子HPの五輪代表の枠は、最大であと2つ。うれしい初優勝で、五輪代表入りが確実になった。「これからは技の回転数をもっと上げていきたい」。苦労しただけ、五輪への思いは熱い。遅咲きでもいい。夢舞台で大輪の花を咲かせてみせる。
■中島 志保(なかしま・しほ)
1978(昭和53年)年8月12日、岐阜・養老町生まれ、27歳。18歳から本格的にスノーボードを始め、03年に初出場したW杯真駒内大会で16位。04年からW杯に参戦して、05年タンダダーレン大会、レークプラシッド大会の7位が最高。05年の世界選手権では日本人最高の7位。1メートル56、47キロ。
■トリノへの道
スノーボード・HP女子の五輪出場枠は最大で4。今井メロと山岡聡子が内定。そのほかの代表は、今季W杯第5戦までの実績で選考される。W杯で優勝すれば事実上の内定となるが、全日本スキー連盟・佐々木峻部長は「優勝してもすぐに内定は出さない。五輪まで直前の時期なので、内定を出して気が抜けると困る」としており、1月上旬に正式発表する予定。
■スノーボード
スキー競技の1種目。速さを競う回転、大回転、スノーボードクロスと、エアの完成度を争うハーフパイプ、ビッグエアー(男子のみ)に分かれる。回転、大回転は2人同時にスタートし、ポールをくぐりながら速さを競い、スノーボードクロスは4人同時にスタートし、障害物のあるコースを滑りながら、タイムで勝負を決める。ハーフパイプは半円状のコースを往復しながらエアの高さや完成度を争う。ビッグエアーはスキーのジャンプ台のような巨大なジャンプ台から飛び出し、エアを競う。
| 中島志保・W杯全成績 | |||
|---|---|---|---|
| 年・月・日 | 大 会 | 国 名 | 順位 |
| 03・3・1 | 札 幌 | 日 本 | 16位 |
| 2 | 〃 | 〃 | 11位 |
| 12・13 | ウィスラー | カナダ | 10位 |
| 20 | ストーンハム | カナダ | 25位 |
| 04・1・23 | クライシュベルグ | オーストリア | 23位 |
| 24 | 〃 | 〃 | 15位 |
| 2・22 | 札 幌 | 日 本 | 11位 |
| 28 | 新 潟 | 日 本 | 14位 |
| 3・12 | バルドネッキア | イタリア | 10位 |
| 10・29 | サースフェー | スイス | 8位 |
| 05・2・10 | バルドネッキア | イタリア | 21位 |
| 11 | 〃 | 〃 | 14位 |
| 26 | 星 宇 | 韓 国 | 8位 |
| 6位 | |||
| 3・5 | レークプラシッド | 米 国 | 7位 |
| 18 | タンダレン | スウェーデン | 7位 |
| 10・21 | サースフェー | スイス | 7位 |
| 12・10 | ウィスラー | カナダ | 優勝 |
2戦連続男女アベック優勝。国母(右)と中島のツーショット(AP)
★男子は国母!代表の貫禄V
17歳の国母和宏が前回スイスW杯に続き連勝。競技場の状態が悪いことを考慮し、技の回転数を抑える演技をしたことが当たった。試合前は調子が悪く、気分も乗らなかったが、仲のいい渡部が決勝直前の練習で右ひざに大けがを負ったことで、「アイツのためにも頑張りたかった」と気持ちを奮い立たせた。今井メロの兄、成田童夢(キスマーク)が8位に沈み、男子のエースとしての期待も膨らむが、「これで五輪で勝てるとは思っていない」と淡々。
★期待の渡部が大けが
スノーボード・HP男子の有望株、渡部耕大(16)がW杯第4戦決勝の直前練習で右ひざを痛め、トリノ五輪代表入りが絶望的な状況になった。渡部は決勝の1回目を終えた後2回目は滑らず、病院に行った。全日本スキー連盟の佐々木部長は「右足前十字じん帯の損傷。全治は3、4カ月くらいかかりそう」。渡部は愛媛県出身で四国から冬季五輪出場を目指す異色選手。

