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2006.02.11 更新

 

やっぱりミスター五輪!原田がNH最後の1枠を奪取

ノーマルヒル最後の「1枠」を獲った原田

NH最後の「1枠」を獲った原田。ヤレヤレ、晴れて飛びます、飛べます

トリノ(イタリア)10日】獲ったぞ、最後の1枠! トリノ冬季五輪が10日(日本時間11日未明)、開会式で開幕。ノルディックスキー・ノーマルヒルの原田雅彦(37)=雪印、顔写真=が、プラジェラートで行われたメンバーの最終選考を兼ねた10日の公式練習で、5大会連続の五輪出場が決定した。すでに出場が決まっていた岡部孝信(35)=雪印、伊東大貴(20)、葛西紀明(33)=ともに土屋ホーム=を除く、原田、一戸剛(29)=アインズ、伊藤謙司郎(16)=北海道・下川商=が最後の座を争っていた。

原田雅彦

これが、ベテランの執念だ。体を投げ出して距離をとりにいく。ジャンプの個人ノーマルヒル(HS106メートル、K点95メートル)の最後の公式練習で、原田がK点越えを連発。11日に予選が行われるノーマルヒルの最後の1枠に滑り込んだ。

失敗すれば、五輪出場の夢が消える“最終選考会”。1回目、緩やかな風に乗ってK点(95メートル)を超える100.5メートル。2回目も102メートル。最後の座を争う一戸、伊藤に大差をつける。練習は3回まであったが、2回目を終わった時点で“当確”とさせた。「100メートルを3本飛んだし、すごく気持ちいい。フルスイングできている。ジャンプ台の相性がいい。いちにのさん、で飛べる台。ポンポン飛べた」と原田スマイル全開だ。

ノーマルヒル限定の起用を前提として5度目の代表に選出された原田だが、開幕直前になって、カリ・ユリアンティラ・コーチ(52)が突然、メンバー選出の方針を転換した。「ワールドカップ(W杯)の成績と、10日の公式練習の結果をミックスして決める」。

強風の影響で、9日の公式練習が中止となった直後、ノーマルヒル出場選手の選考基準を説明。さらに4人の出場メンバーのうち、今季のW杯の個人総合11位の岡部、17位の伊東、18位の葛西を出場させることを明らかにし、残るは「1枠」のみとなっていた。

今季好調な岡部のジャンプ

今季好調な岡部のジャンプ。試合は11日の予選(岡部は免除)に続き、12日に本戦を実施する

本番に向けて、イチかバチかのフォーム改造に取り組んだ。助走姿勢のひざの角度を3度鋭角にした。たかが、3度。されど3度だ。原田のジャンプには大きな意味があった。姿勢が低くなり、助走のスピードが増す。その結果、踏み切りもパワーアップし、当然、距離も伸びる。代表チームから離れ、1月30日から2日まで札幌・宮の森で猛特訓。50本以上も飛び、浮上のきっかけをつかんだ。突貫工事は吉と出た。

94年リレハンメル大会団体で「世紀の失速ジャンプ」、98年長野大会団体での「涙の金メダル」、五輪でさまざまなドラマを演じてきた。昨年10月の国内選考会で惨敗し、一時は代表入りが絶望視されながら、格下大会で結果を残して、逆転で代表入り。5大会連続となるトリノ五輪。“ミスタージャンプ”ははやくも「プレ・ドラマ」を演じて魅せた。

★原田、LH&団体出場の可能性も

スキー・ジャンプの日本を率いるユリアンティラ・ヘッドコーチは10日、ノーマルヒル(NH)に限って出場させる方針だった原田について、状態次第ではラージヒル(LH)の団体と個人でも起用する可能性があることを示唆した。同コーチは「(原田の)テークオフのパワーが強くなっていた。少し驚いた。LHでも練習を飛ぶ。五輪だからベストの選手4人を選ぶ。いいパフォーマンスをすればLH出場の可能性はある」とした。

★ベテランに脱帽…16歳伊藤、最年少出場ならず

16歳の伊藤謙司郎が、日本冬季五輪史上最年少での出場を逃した。残り1つの枠を、37歳の原田、29歳の一戸と争ったノーマルヒルメンバーの選考会。3回ともK点(95メートル)に届かず、経験、実績でまさる原田、及ばなかった。「自分なりに調整したけど、全然ダメだった。原田さんはすごい」と、ベテランの力に脱帽した。まだ伊藤には、ラージヒル、団体と2度のチャンスがある。「これからコーチにアピールしたい」と、現地で練習を続け、史上最年少記録樹立を狙う。

ジャンプ・公式練習結果
氏名1回目2回目3回目
原田雅彦100.5102.0101.5
一戸剛85.591.597.0
伊藤謙司郎90.594.592.5