本文へ

2006.02.22 更新

 

ラージヒル団体、日の丸飛行隊6位完敗!世代交代一気に激化

大飛躍ならず…。団体6位入賞も前回大会に続き個人、団体ともにメダルなし。左から岡部、葛西、一戸、伊東

大飛躍ならず…。団体6位入賞も前回大会に続き個人、団体ともにメダルなし。左から岡部、葛西、一戸、伊東

日の丸飛行隊の復活をかけた最後の団体(ラージヒル=LH、HS140メートル、K点125メートル)は6位と完敗した。団体が採用された88年カルガリー大会の11位(最下位)に次ぐ低い成績で、前回大会に続き個人、団体ともにメダルなく終わった。また、5大会連続出場を果たしながら、ノーマルヒル(NH)予選で失格となった原田雅彦(37)=雪印=が現役続行を正式表明。10年バンクーバー五輪では世代交代がいっきに激化する。

そこにいるのも、いたたまれない。優勝を決め、大騒ぎするオーストリアチームを、原田は唇をかみながら、ジャッジボックスから見下ろしていた。NH予選では用具規定違反でよもやの失格。LHに続き、自身がメンバーから外れた団体で日本は6位に沈んだ。37歳の5度目の五輪は、1度も本戦の舞台に立つことなく終わった。

「この恨みを晴らさないではおけない。4年後(の五輪)になるかはわからないけど、頑張る」と現役続行を明言した。来年には札幌でノルディック世界選手権(2月開幕)もあり、「次に次にと目標を持ってやっていく」。

日本は1番手を任された伊東大貴(20)=土屋ホーム=が、奮起できなかった。1、2回目ともに121・5メートルと低調。若手のホープとして期待されながら、個人LHに続いて不完全燃焼に終わった20歳は、「K点越えがほしかった」と唇をかんだ。

ベテランに頼らざるを得ない現状が、日本の苦悩を端的に示している。この日、日本勢でK点を越えたのは、33歳の葛西紀明(土屋ホーム)の130・5メートル、35歳岡部孝信(雪印)の132メートルの2本だけ。若手とベテランの融合はならなかった。

大ベテラン原田は現役続行を表明。世代交代の戦いがいっきに激化する(いずれも共同)

大ベテラン原田は現役続行を表明。世代交代の戦いがいっきに激化する(いずれも共同)

原田だけなく、葛西は「来年の世界選手権は地元札幌だし、いいところを見せたい」。今季日本勢を引っ張った35歳のエース・岡部も「やりたいジャンプはまだある」と衰えない意欲を示した。

だが、現役に意欲を見せるベテラン勢に、先は見えない。世界選手権、4年後のバンクーバー五輪に向けて、カリ・ユリアンティラ・ヘッドコーチ(52)が改革に着手するからだ。企業中心の強化を見直し、世代交代を推し進める。世界ではLHを制した19歳のモルゲンシュテルン(オーストリア)ら20代前半の選手が台頭。同コーチは伊東を新世代のリーダーに指名、今大会は出場機会に恵まれなかったが、16歳の伊藤謙司郎(北海道・下川商高)らを中心にバンクーバーを目指す構えだ。

伊東は「五輪の借りは五輪で返す。これからは自分がチームを引っ張らないといけないと感じた。バンクーバーで日本が光り輝くための1人になりたい」。若手が、現役続行に執念をみせるベテランに引導を渡したそのとき、強い日の丸飛行隊が帰ってくる!?

(伊藤隆)

★原田騒動

11日のノーマルヒル予選で、原田雅彦は95メートルを飛び予選突破を有力にしながら、体重に比べて長すぎるスキー板を使用したため、規則違反で失格となった。国際スキー連盟(FIS)規則では、身長1メートル74と登録された原田が使用できるスキー板の長さは身長の146%の2メートル54まで。体重は61キロ以上なければならなかったが、実際は60・8キロで、200グラム足りなかった。原田は今季初めの全日本スキー連盟への登録身長が1メートル73だったため、2メートル53の板を使用。その場合の必要な体重が60キロ以上だった。体重管理は自己責任。数字を勘違いしていたことが原因だった。

■ノーマルヒル

(11日予選、12日決勝)今季好調の岡部、予選トップ通過の葛西、若手の伊東にメダルの期待も高まった。1本目は伊東、葛西ともに100メートルで13位につけたが、岡部は96.5で24位。2本目で伊東が96、葛西が95.5、岡部は94.5メートルと失速。伊東の18位が最高で、葛西は20位、岡部も23位と惨敗。

■ラージヒル

(17日予選、18日決勝)ノーマルヒルに続き予選トップ通過の葛西、五輪初出場の一戸剛(アインズ)、岡部、伊東が出場。1本目は岡部が8位、一戸が16位、葛西が21位と続くが、伊東は2本目に進めず。2本目は一戸が115.5で25位、葛西が128.5メートルで12位に。岡部は128.5メートルで8位入賞。日本ジャンプ勢5大会連続入賞はキープ。

★W杯遠征メンバーに岡部ら5代表

スキー・ジャンプ日本のユリアンティラ・ヘッドコーチは20日、トリノ五輪終了後に再開するW杯の遠征メンバーに岡部孝信(雪印)、葛西紀明、伊東大貴(ともに土屋ホーム)、一戸剛(アインズ)、東輝(日本空調)の5人を決めた。3月4日のラハティ(フィンランド)から19日のプラニツァ(スロベニア)で行われる最終戦までが対象となる。