2006.02.28 更新
日本ここから再出発!バンクーバーでは4位を超えろ
花火が打ち上げられ、最後を飾る華やかなフィナーレ。この閉会式が、日本勢にとって戦いのスタートとなる=撮影・尾崎修二
“1から出直し”だ。日本は国外開催では史上最多の選手(112人)を派遣しながら、メダルはフィギュアスケート女子の荒川静香(プリンスホテル)の金1個に終わった。アルペンスキー男子回転で半世紀ぶりに入賞。カーリング女子の奮闘などもあったが、メダルラッシュに沸いたアテネ五輪の再現はならず。金5個を含むメダル10個を獲得した長野五輪から大きく後退。4年後の10年バンクーバー五輪への戦いは、もう始まっている。
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あと4年も。それとも、4年しかない? まだ大会は終わったばかりだが、メダルが1個に終わった日本オリンピック委員会(JOC)は低迷する冬季競技に危機感を募らせた。竹田恒和会長は「選手の基礎体力がない」と指摘し、「シーズンオフに十分トレーニングできる環境を整えることが必要」と訴えた。打開策として、夏の練習環境に適したニュージーランドなどと2国間協定を結ぶ構想も視野に入れている。
今大会はメダルにもっとも近く、もっとも悔しい思いをするといわれる「4位」が冬季五輪最多の5種目もあった。日本選手団主将を務め、スピードスケート女子500メートルで0・05秒差の4位に終わった岡崎朋美(34)=富士急=は閉会式に出席。「全体的には不本意な結果だったけど、選手個々は力を出し尽くしたと思う。いろいろ考えさせられることもあったけど、それがあるから次に進める」と前を見据えた。
年間を通じて強化できる環境づくりでは、冬季競技(スケート)のナショナルトレーニングセンター構想も長野市や北海道帯広市を候補に進めている。
アルペンスキー男子回転でアルペン日本勢で50年ぶりに入賞した皆川賢太郎(28)=アルビレックス新潟=はわずか100分3秒差で無念の4位に。「(閉会式で)イタリアからカナダに五輪旗を受け渡した時に、もう一度挑戦したいと思った」と4年後の大会に早くも闘志をみせた。
日本勢の世代交代のシンボル、“トリノ世代”となる日本選手団の旗手でもあったスピードスケート男子500メートルの世界記録保持者、加藤条治(21)=日本電産サンキョー=は金メダルを期待されながら6位に沈み、「一から出直す。(バンクーバーは)ずばぬけた実力で金を取れるよう頑張る」。華やかなフィナーレ、閉会式が新たな戦いの始まりになった。
★小泉首相が選手の育成支援策の強化を意識
小泉純一郎首相は27日、トリノ五輪で日本のメダル獲得がフィギュアスケート女子の荒川の金メダル1個にとどまったことについて、「やはりある程度、練習ができるような支援が必要だろう。一流選手育成のための支援も将来必要だ」と、選手の育成支援策の強化が必要との認識を示した。官邸で記者団の質問に答えた。
また、安倍晋三官房長官も同日の会見で、「文部科学省が結果を分析することになるが、次の五輪に向けいろいろと反省点はあると思う。選手に対するサポート態勢を、もっとしっかり取っていくべきではないかとの意見が多いと思う」と指摘した。
■バンクーバー五輪
2010年2月12日から28日まで17日間にわたって開催され、開閉会式は市街中央のBCプレイス・スタジアムで行われる。競技はNHL、カナックスのホームリンクを使うアイスホッケーをはじめ、フィギュアスケート、スピードスケートなどは市内や近郊で実施。アルペンスキーなど山の競技会場は、市内から車で2時間ほどでアクセスできるロッキー山脈にある北米有数のスキーリゾート、ウィスラーを中心に展開する。細かな競技日程は08年に決まり、09年秋から聖火リレーが始まる。
■バンクーバー
海と山の豊かな大自然に囲まれたカナダ西海岸の玄関口。トロント、モントリオールに次ぐカナダ第3の都市で、人口は周辺部を含めて約220万人。街のあちらこちらに立つ巨大な木の彫刻「トーテムポール」は、1850年代に市内を流れるフレーザー川で黄金が発見され、東部から探鉱者が大量に押し寄せた「ゴールドラッシュ」前の先住民の暮らしぶりをうかがわせる。日本からの移民も多く、昨年「世界で最も暮らしやすい街」に選ばれた。

