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2006.02.20 更新

 

苦情続々、視聴率は低迷−不振に「こんなはずでは」

トリノ冬季五輪で日本選手の不振が続く。前半のメダル獲得はゼロ。「メダル量産も」との皮算用が外れ、日本オリンピック委員会(JOC)には「どうなってるんだ」と不満をぶつける電話が相次ぐ。テレビの視聴率は低迷、関連商品の売れ行きも伸び悩み、「経済効果の広がりも期待できない」との声も出始めた。

▽不満が7割

「ビッグマウスの若い選手には謙虚さがない」。電話を取ったJOC職員に、手厳しい意見が浴びせられる。開幕後、ファンからの電話は100件以上。試合前に「狙うのは金だけ」などと自信満々に語る選手がいたことも批判につながっている。

一方で、スピードスケート女子五百メートルで4位に終わった岡崎朋美選手が「申し訳ありません」と謝ったことに「あんなこと言わないでもいい。五輪は出場するだけですごい」との声も。寄せられる意見の比率は「不満7割、激励3割」という。

一昨年のアテネ五輪で日本が史上最多のメダル37個を獲得したことを追い風に、JOCの公式スポンサーであるオフィシャルパートナー(1社3億円)は大幅に増え現在25社。

2005年―08年の期間契約となっているため今回の結果がすぐに影響することはないが、JOCは08年以降の動向に気をもんでいる。

▽20%超はゼロ

前半戦で最高のテレビ視聴率はスピードスケート男子五百メートルの19・4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。20%を超えたことはまだない。冬季とは競技数が違うため単純に比較できないが、アテネ五輪は20%超が7回あったことを考えると、低調さが際立つ。

競技の大半を放送するNHKの広報担当者は「前半の目玉と考えていた競技がいずれも振るわず残念。大本命のフィギュア女子に期待したい」と望みをつなぐ。

「選手が活躍すれば、もう少し売れ行きが伸びると思うんだけど」と漏らすのはスキー用具メーカー。販売のピークは年末商戦だが、五輪の盛り上がり次第で波及効果が見込めるはずだった。

東京・渋谷にあるスポーツバー「Athlete Cafe S」の尾崎かなえ代表(22)も「正直言っていまひとつ」。放映の有無を尋ねる問い合わせが数件あっただけで五輪効果は出ていない。

アテネ五輪では金メダルが出るたびに発行部数を増やした日刊スポーツ新聞社(東京)。「当時は売り上げも5割ぐらい伸びたが、今回は…」と言う。都内の紙面ではサッカーなどほかの競技が1面トップを飾るケースも増えている。

▽財布のひもは?

第一生命経済研究所の試算では、トリノ五輪の経済効果は前回の02年のソルトレークシティー五輪(2556億円)を上回る2635億円。大画面テレビ購入や観戦ツアー代といった開幕前の支出の試算だが、主任エコノミストの永浜利広さんは「五輪にはこれ以外のプラスアルファの効果もある」。

アテネ五輪では活躍した選手が所属する企業の株価が上がったり、メダル獲得記念のTシャツが売れたりと、期間中からの影響が大きかった。

永浜さんは「日本選手の成績がいいと気分がよくなって消費者の財布のひもも緩みがちになる。今回はそれは期待できないかも」と話した。