2006.02.12 更新
聖火最終走者ベルモンドさん、初めての開会式で大役
聖火台への火をつける最終聖火ランナー、ステファーニア・ベルモンドさん=10日夜、コムナーレ競技場(共同)
5度の出場で2個の金メダルを含め、冬季五輪史上女子最多タイの10個のメダル獲得―。スキー距離女子で歴史に残る成績を収めたステファーニア・ベルモンドさん(37)は、出場した五輪で1度も開会式に出たことがなかった。「初めてよ。とても興奮している」という開会式で、聖火リレーの最終走者という大きな栄誉が待っていた。
トリノと同じピエモンテ州クネオ県の村で生まれた。小さいころから家の前のゲレンデでスキーに親しみ、父に連れられては山の中を滑った。
1988年カルガリー五輪が初の大舞台。小柄な体で小気味よく滑る姿が印象的だった。92年アルベールビル五輪30キロフリーで金を奪い、長野にもやってきた。33歳で臨んだ前回ソルトレークシティー五輪は15キロフリーを制した。
最終走者は、アルペンスキーのかつてのスーパースターで「ラ・ボンバ」(爆弾男)の異名を取ったアルベルト・トンバ氏が最有力視された。地元出身で2児の母という好イメージを支持する声が高まり、本人も「わたしの夢。最終走者をしたい」と公言、同州内からも「ステファーニアを最終走者に」と熱望する意見が多数出された。
最終的に、五輪組織委員会とイタリア・オリンピック委員会が開会式の数時間前に協議し、ベルモンドさんに。1度は引退を表明したが、昨年、第2子を出産後も母国の五輪出場に向けて現役復帰を目指したスキーへの情熱が、最高の勲章につながった。
赤々と燃える聖火とトリノの夜空に上った月(右)=10日夜、コムナーレ競技場(共同)
★深夜の競技場に平和の炎−舞う火花、頂点へ駆け上る
名曲「イマジン」で平和の祈りに包まれた深夜のスタジアムを聖なる炎が照らし出した。最後まで秘密のベールに包まれていた最終聖火ランナーとして地元イタリアが誇るステファーニア・ベルモンドさんが登場すると、開会式は最高潮を迎えた。
冬季五輪女子で史上最多タイの10個のメダルを持つスキー距離の元女王は80カ国・地域の選手団の間を手を振りながら駆け抜け、小さなアーチ状の点火装置の前へ。
両手で高々とトーチを掲げその場で1周した後、ゆっくりとした動作で慎重にトーチを傾けた。
その直後、ステージの周囲から噴水のように火花が舞い上がる。聖火台まで一気に駆け上る炎。夜空に浮かんだ高さ57メートルの頂点にオレンジの火がともり、風に揺らめくと、スタンドから大きな拍手と歓声が起きた。

