2006.01.11 更新
【冬季五輪辞典】 は行
★スノーボード
1998年長野大会から採用されたスノーボード種目。半円筒形のコースを使い、滑りやジャンプのテクニックなどを競う。5人の審判が、演技の難易度、エアの高さなどを10点法で採点する。トリノ五輪のコースは斜度16度、全長約135メートルで、壁の高さは5・5メートル。華麗なエアでは横方向の3回転や、縦と横の回転を同時に行う3Dと呼ばれる大技もある。女子で山岡聡子、成田夢露(現今井メロ)が2季連続でワールドカップ(W杯)の種目別総合優勝を果たした。
★バイアスロン
起源は欧州の山岳地帯で銃を持ち、スキーで雪山に入った狩猟生活だといわれる。五輪では1960年スクォーバレー大会で正式種目となり、トリノ大会では男女各5種目が実施される。クロスカントリースキーとライフル射撃を組み合わせた競技で「バイ」は「2」、「アスロン」は「競技」を意味する。射撃はうつぶせの状態から撃つ伏射と、立った状態で撃つ立射を行う。スキーでは速さ、射撃では正確さ。選手には静と動の性質の違う2つの能力が求められる。
★パワープレー
アイスホッケーで、相手にペナルティーによる退場者が出て、一時的にリンク上の人数が相手より多くなる状態をいう。少ない側から見た状態はキルプレーまたはショートハンドと呼ぶ。マイナーペナルティー(2分間退場)の場合は、パワープレー側が得点すると退場者は復帰できるが、相手にけがをさせたときなどに与えられるメジャーペナルティー(5分間退場)は、ゴールが決まっても解けない。この好機に得点できるかどうかが、試合の重要なポイントとなる。
★ヒルサイズとK点
ヒルサイズ(HS)は安全に飛行が可能とされる最大の距離。国際スキー連盟が昨季から導入し、ジャンプ台ごとに異なる距離を示すことによって競技がより分かりやすくなった。K点はドイツ語でKONSTRUKTIONS PUNKT(建築基準点)の略。ジャンプ台の着地面にある飛距離点計算の基準となる地点。K点は60点に定められ、K点90メートルのジャンプ台では2・0点、同120メートルのジャンプ台では1・8点を1メートルごとに加減して飛距離点を計算する。
★フィギュアスケート
17世紀にオランダで始まったといわれている。ジャンプ、スピン、ステップなどを交えながら、音楽に乗って演技する採点競技。五輪では一人で演技する男子、女子と、ペア、アイスダンスの4種目が実施される。アイスダンス以外はショートプログラム、フリーの合計得点で競う。ペアとアイスダンスは男女1組で滑る。ペアは男性が女性を持ち上げるリフトなどが見どころ。アイスダンスは氷上の社交ダンスに例えられ、音楽に乗ったステップで演技する。
★フィギュアの採点方法
2002年ソルトレークシティー冬季五輪ペアでの不正採点疑惑を契機に昨季から本格的に新採点方式が採用され、従来の6点満点制は廃止された。新採点ではジャンプ、ステップ、スピンなど各要素について得点を加算していく技術点と、表現力を示す演技点の合計が総得点となる。かつてはショートプログラム(SP)とフリーの順位点で決定された総合順位も、SPとフリーの総得点で決定するため、フリーの結果次第で大逆転が可能になった。
★フィギュアのジャンプ
演技中の最大の見せ場で、踏み切りの助走方向や、スケート靴のブレード(刃)にあるエッジの使い方などで飛び方にフリップ、ルッツ、アクセルといった名称が付けられている。1989年の世界選手権で、伊藤みどりが女子で初めてトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳んで優勝し、大きな注目を浴びた。2002年には、当時14歳の安藤美姫が女子で初めて4回転ジャンプに成功した。連続ジャンプなどを含め、技は年々高度化している。
★フォトフィニッシュ装置
ショートトラックの選手がフィニッシュする瞬間を2台のビデオカメラで撮影し、着順とタイムを一度に判定、計測する装置。選手が履いている靴のブレード(刀)の先がフィニッシュラインを通過した瞬間がフィニッシュとなる。原則的に着順を競う競技のため、レース中は順位の入れ代わりが激しく、着順も判断が難しいケースが多い。しかしフォトフィニッシュでは1000分の1秒差まで計測できるため、わずかな差でも正確な順位決定が可能となる。
★付加重量
リュージュではソリと選手の体重が重いほど加速が付くため、重さについての厳密な規定が設けられている。出場選手の体重に制限はないが、軽い選手は付加重量(重り)を付けることが認められている。男子は90キロ未満の選手が13キロまで、女子では75キロ未満の選手が10キロまでの重りを装着することができる。ソリ自体の重量は1人乗りが21キロから25キロ、2人乗りは25キロから30キロの範囲で調節可能で、ゴール後に選手とソリの両方について重量測定が実施される。
★ペナルティーループ
距離スキーと射撃を組み合わせたバイアスロンで、外した標的の数に応じて回らなくてはいけない罰則用のコース。射場に隣接して設けられ、1周150メートル。約30秒のタイムロスとなる。トリノ冬季五輪では男子は10キロ、12・5キロ追い抜き、15キロ(一斉スタート)、リレー、女子は7・5キロ、10キロ追い抜き、12・5キロ(一斉スタート)、リレーで適用される。4度の射撃の機会がある男子20キロ、女子15キロでは外した標的1つにつき、1分がタイムに加算される。
★ブルームとストーン
カーリングで使用する取っ手付きの丸みを帯びたストーン(石)は、花こう岩製で重さは約20キロ。選手はハンドルを利用することで強弱や回転、滑らせる方向をコントロールする。ブルームはほうきやブラシのような形をした用具。ブルームで氷をこする動きはスイーピングと呼ばれる。この動作が摩擦熱を生み、競技前の散水でリンクの表面に水滴が凍ってできた凹凸を溶かす。スイーピングでスピードを保ちながら方向を調整してストーンを滑らせていく。
★ペアスケート
競技のフィギュアには、シングル、ペア、アイスダンス、シンクロナイズド(非五輪種目)があり、ペアは男性と女性が組んで滑る。ショートプログラム(SP、演技時間2分50秒)とフリー(同4分30秒)の合計得点で順位を競う。
★ボブスレー
強化プラスチック製(かつては鋼鉄製)のソリで氷のコースを滑る競技。冬季五輪では1924年の第1回大会から実施され、トリノ大会では男子2人乗り、4人乗りと女子2人乗りが行われる。「氷上のF1」とも言われるように、最高時速は130キロにも達する。ソリにはランナー(エッジ)が前後2本ずつ付いており、パイロット(最前部の選手)が、ハンドルと直結した前のランナーを操作しながら進む。スタート時にそりを押す加速が勝負を大きく左右する。

