2006.02.26 更新
スウェーデン、2度目の金王手!フィンランドと決勝戦へ
衝突! 第2ピリオド、スウェーデンのH・セディン(左)が相手GKとヒットしながら、冷静に肩越しにシュート。パックをネットに突き刺した(AP)
激突! NHLプレーヤーの火花が散った。男子準決勝を行い、スウェーデンとフィンランドが勝って、26日の決勝は初の北欧勢対決となった。スウェーデンは98年長野大会金メダルのチェコを7−3で圧倒し、優勝した94年リレハンメル大会以来の決勝進出。初優勝を目指すフィンランドも前回銅メダルのロシアを4−0で破り、88年カルガリー大会以来の決勝に駒を進めた。ともにNHL選手で固める豪華チーム。頂点争いで意地がぶつかる。
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黄色と青のジャージーが縦横無尽にリンクを走りまわる。牙をむくスウェーデンの攻撃陣にとって、NHLのスーパースターGKハシェク(セネターズ)が故障で離脱したチェコのゴールなど、ガラ空きも同然だった。
試合開始直後の34秒、左からパスを受けたFWモディン(ライトニング)が華麗にシュートを決めてすぐさま主導権を奪った。モディンは「理想的なスタートだった」。3分すぎに追いつかれたが、出だしの一撃で勢いづいたスウェーデンの猛攻は止まらない。圧巻は第2ピリオドだ。最初の8分足らずにH・セディン(カナックス)、バックマン(ブルース)、J・ヨンソンが続けざまに3発を叩きこんだ。
手を打つ間もなく5失点したチェコは、たまらずGKをフニリチカからボクーンに代えたが、時すでに遅し。スウェーデンは速く正確なパスワークでチャンスをつくり、NHLの得点王に5度も輝くヤーガー(レンジャーズ)を擁する長野五輪覇者チェコを圧倒した。
グスタフション監督も「きょうの戦い方にはとても満足している」と満足顔。NHLのスター選手で中心選手のFWフォシュベリ(フライヤーズ)が故障で万全ではないが、決勝まで勝ち上がった。登録23人中19人がNHL選手で、その年俸を合計すると約50億円。準決勝の7得点はすべて異なる選手が挙げたように、決定力、爆発力はまさにNHLリンクそのままだ。
「あと1勝。このチームは本当にうまくいっている。きっと金メダルが獲れる」
最高給取りの1000万ドル(約11億8000万円)プレーヤー、DFリドストロム(レッドウイングス)は自信満々に言い切る。優勝した94年リレハンメル大会以来のメダルは確定させたが、狙うのは金色のみ。隣国フィンランドとの決戦に、北欧の騎士たちが燃え上がる。
★ロシア完封! フィンランド7連勝
フィンランドの快進撃は止まらない。準々決勝で前回金メダルのカナダとの激戦を制した強豪ロシアに完封勝利。88年カルガリー大会以来の決勝進出を決めた。
ベテランFWセラニ(マイティダックス)も初優勝への手応えを感じとっている。「すばらしいチームワークがある」。1次リーグはカナダを破ったのを含め5戦全勝。準々決勝で米国、そしてこの日の準決勝でロシアを下して7連勝と勢いが加速。トリノのリンクではいまだ負け知らずのままだ。
もちろん、メンバーの大半を占める16人がNHL選手。7試合で5つが完封勝ちと、堅牢なディフェンスは揺るがない。攻撃も人数で優位になるパワープレーのチャンスを確実に生かして得点する手堅さに安定感が漂う。DFティモネン(プレデターズ)は「みんな驚いているかもしれないけど、自分たちはそれほどでもないよ」。世界選手権では95年に優勝しており、そのとき敵地ストックホルムで行われた決勝の相手がスウェーデンだった。森と湖に囲まれた人口約520万人の小国が、再び隣国を相手に、今度は五輪の金メダルを獲りにいく。
■アイスホッケー
試合は1チーム6人がリンクに立つ。GK1人、DFが2人、FW3人が基本陣形。スティックを使い、主として硬化ゴム製のパックを相手ゴールに入れると得点となる。20分のピリオドを3回行い、各ピリオドの間に15分間の休憩を挟む。選手交代はいつでも可能。回数にも制限がない。相手をスティックではたく、転ばすことに使ったりする反則を犯すと、一時的に退場となるなどのペナルティーが科せられる。トリノ五輪には男子12チーム、女子8チームが出場した。
■NHL(北米プロアイスホッケーリーグ)
世界最高峰のプロリーグ。米国24、カナダ6の計30チームで構成。リーグ戦で争うレギュラーシーズンとトーナメント方式のプレーオフを経て決定される東西両カンファレンスの優勝チームが、「スタンリーカップ」で頂点を争う。昨季は労使紛争で米4大プロスポーツ史上初めて、全日程が中止された。今季は昨年10月に開幕。新労使協定のもと、今五輪と10年バンクーバー五輪へ選手の派遣を決定。NHL選手の五輪参加は98年長野大会で認められて以来、今大会で3大会連続。大会期間中は選手の多くが母国代表となるため、リーグ戦は中断される。
■日本は
1936年の第4回ガルミッシュ・パルテンキルヘン五輪で日本男子チームが初めて、冬季五輪に参加し、9位。60年スコーバレー五輪から80年レークプラシッド五輪まで6大会連続出場。五輪最高成績はスコーバレー大会の8位。98年長野五輪には開催国特権で、男女共に出場。男子13位、女子は最下位だった。02年ソルトレークシティー、トリノ五輪は出場権を獲得できなかった。
| 男子アイスホッケー・歴代五輪優勝国 | ||
|---|---|---|
| 年 | 開催地 | 優勝国 |
| 24 | シャモニー | カナダ |
| 28 | サンモリッツ | カナダ |
| 32 | レークプラシッド | カナダ |
| 36 | ガルミッシュ パルテンキルヘン | 英国 |
| 48 | サンモリッツ | カナダ |
| 52 | オスロ | カナダ |
| 56 | コルティナ ダンペッツォ | ソ連 |
| 60 | スコーバレー | 米国 |
| 64 | インスブルック | ソ連 |
| 68 | グルノーブル | ソ連 |
| 72 | 札幌 | ソ連 |
| 76 | インスブルック | ソ連 |
| 80 | レークプラシッド | 米国 |
| 84 | サラエボ | ソ連 |
| 88 | カルガリー | ソ連 |
| 92 | アルベールビル | CIS |
| 94 | リレハンメル | スウェーデン |
| 98 | 長野 | チェコ |
| 02 | ソルトレークシティー | カナダ |
| 【注】国名は当時。CISは独立国家共同体 | ||

