本文へ
アルペンクロスカントリージャンプノルディック複合フリースタイルスノーボードスピードスケートフィギュアスケートショートトラックバイアスロンボブスレースケルトンリュージュアイスホッケーカーリング

2005.12.25 更新

 

美姫SP6位に沈む!荒川、村主が執念見せた

女子SPで6位に沈んだ安藤美姫

女子SPで6位に沈んだ安藤。“真央超え”を果たし、スッキリ代表を決めたい(共同)

フィギュアスケート・全日本選手権第2日(24日、東京・代々木第1体育館)意地をみせてよ、ミキティ! 女子ショートプログラム(SP)で、大会2連覇中の安藤美姫(18)=中京大中京高3年=が60.24点で6位に沈んだ。98年長野五輪代表の荒川静香(23)=プリンスホテル=が68.76点で首位、02年ソルトレークシティー五輪代表の村主章枝(24)=avex=が2位となった。グランプリ(GP)ファイナル女王の浅田真央(15)=グランプリ東海ク=は3位。安藤はこの順位でも来年2月のトリノ冬季五輪代表に選出されるが、年齢制限のため五輪に出場できない浅田真の後塵を拝すれば、五輪でのメダル獲得はおぼつかない。

演技終了直後にガッツポーズが飛び出した。キャロル・ヘイス・ジェンキンスコーチと抱き合って喜びあった。納得の表情を浮かべた安藤だったが、得点は伸びない。一瞬、表情がかたまった。

60.24点で6位。国際スケート連盟(ISU)の年齢制限により五輪出場資格のない浅田真、そして「3枠」の五輪代表を争う5選手の直接対決で、最も低い順位に沈んだ。「曲が『戦場のメリークリスマス』なので、クリスマスイブの日に、気持ちよく滑ることができた。ただ、ジャンプの回転数不足が、悔しかった。(自己採点は)79点…」。3−3回転のコンビネーションジャンプを跳ぶはずが、3−2回転になるなど、小さなミスが失点につながった。

「いろいろありまして…」。安藤は多くを語らないが、コンディションは万全ではない。11月最終週のロシア杯に始まり、今回の全日本選手権まで5週間で4試合を消化する過密日程。不安を抱える右足の踏ん張りがきかず、NHK杯で2度、さきのGPファイナルでも3度転倒した。この日の練習でも右足の状態を何度も確認しながら、ジャンプを試みていた。

だが、泣いても笑っても、これが代表選考の最後の舞台。代表獲得へがけっぷちに立たされている2人の実力者は、完ぺきな演技を披露した。五輪経験者の荒川と村主は、先週のGPファイナルを制して“世界一”の称号を手にした浅田真を抑え、1、2位発進。底力、勝負強さをみせつけた。

安藤は五輪代表選考ポイントランキングで断然トップ。この大会で8位でも、上位3人に入るきわめて有利な状況にある。だが、荒川、村主が気を吐くなか、全日本選手権で6位という結果では、たとえ代表権を得たとしても、本番でのメダル獲得など夢のまた夢だ。五輪出場の資格がない浅田真に遅れをとれば、マイナス印象はいつまでもついて回る。

もう、やるしかない。25日のフリー。世界の女子でただ1人、安藤だけが跳べる4回転ジャンプの発射だ。今季公式戦ではまだ1度もトライしていない。来春の高校総体(1月23〜25日、苫小牧)にエントリーをしているが、五輪前の大舞台は今大会が最後。“予行演習”のためにも、跳ばなければ…。安藤は「体調を考慮して、コーチと相談して決める」と明言は避けたが、フリーの予定演目には4回転サルコーが記された。

女子では初めて、トリプルアクセル(3回転半)を演技に2度入れてくる浅田真を逆転するためにも、美姫スペシャルを−苦境を脱するミキティのパワーが試される。

(片倉尚文)

安藤のフリーの予定演技
レイバックスピン
3回転ルッツ+3回転ループ
4回転サルコー
ダブルアクセル(2回転半)
3回転フリップ+2回転ループ
コンビネーションスピン
3回転ルッツ
ストレートラインステップシークエンス
3回転ループ
10フライングスピン
11スパイラルステップシークエンス
123回転トゥーループ+2回転トゥーループ+2回転ループ
13チェンジフットコンビネーションスピン

★ベテランの執念!荒川首位、村主2位

代表をつかみ獲る。2人の体から執念の炎が漂った。昨年の世界選手権女王の荒川と、今年の世界選手権日本人トップ(5位)の村主が高得点で1、2位。逆転での五輪代表に大きく近づいた。

11月中旬のフランス杯で3位になりGPファイナル出場を逃した後、荒川は環境をかえた。世界選手権で優勝した演目を手がけたモロゾフ氏に依頼してSPを手直し。スパイラルの姿勢、角度をかえた新構成で最高難度のレベル4を獲得した。「今季のSPで一番落ち着いて演技ができました」と笑顔を弾かせた。表現力を示す5項目では4項目で8点台。浅田真も抑えこんだ。

五輪出場資格のない真央はのびのび演技

五輪出場資格のない真央だが、のびのび演技。優勝へ射程圏だ(撮影・尾崎修二)

右股関節痛で大きく出遅れた村主も、痛みを抱えるなかで今大会に間に合わせた。「多くの人が、私を忘れずに声援をくれた」と感激の表情。ともに五輪経験者。トリノ五輪を集大成と位置付ける。2人の踏ん張りに、観客も立ち上がって拍手を送った。会場との一体感が追い風となる。

◆62.20点で4位に入った恩田美栄(東海学園大職)は滑り終えると涙

「自分で感動した。きょうくらいのジャンプはない。すべてきれいに決まった。(フリーも)落ち着いて、練習してきたことを出したい」


◆61.46点で5位につけた中野友加里(早大2年)

「ノーミスだったけど、ジャンプはいつもよりよくなかった。GPファイナルより緊張しました」

★真央リズム狂う

GPファイナル女王の妖精浅田真も人の子だった? ダブルアクセル(2回転半)を失敗し、1回転半になってしまったことが響いて、66.64点で3位発進だ。「慎重になりすぎて失敗した。80点かな」。最初に滑った姉・舞の直後に採点機械の故障で10分間以上も中断。仕切り直しで2度目の6分間練習となりリズムも狂った。25日のフリーでは、実現すれば世界の女子で初めてとなるトリプルアクセル(3回転半)を演技に2度入れて、逆転優勝を狙う。「GPファイナルのようないい演技がしたい」。初の日本一に照準をピタリ。


■フリー滑走順

女子フリーの滑走順抽選が24日に行われ、SP1位の荒川が19番、2位の村主が22番に決まった。3位の浅田真は20番、4位の恩田が21番、5位の中野が23番、6位の安藤は最終の24番滑走。

★どうなる女子代表争い

全日本選手権前までのポイント争いでは、トップの安藤が断然有利。8位以内なら上位3人に残ることができるため、ほぼ当確の状況。残り2枠の争いはし烈。SPの順位のままだと、ポイント4位の荒川、同5位の村主がポイントで2、3位に繰り上がり、逆転代表となる。ポイント2位の中野は、SPの5位から少なくとも2つ順位を上げて、表彰台に上がりたい。SP4位の恩田も荒川と村主同様に、優勝か2位が必要になる。

女子五輪代表選考ポイント・このままなら…
大会前名前所属持ち点今回総計
安藤美姫中京大中京高3年1718653502215
中野友加里早大2年2016434002043
恩田美栄東海学園大職2215644502014
荒川静香プリンスホテル2315606002160
村主章枝avex2415505502100
浅田真央グランプリ東海ク1519015002401
【注】浅田は五輪出場資格がない。

■トリノへの道

原則として今季の成績をポイント化し、昨季の持ち点との合計で男子「1枠」と女子「3枠」を決定する。対象大会はGPシリーズ、GPファイナルなど成績の良いもの2大会と、全日本選手権。ポイントの差が10%以内であれば逆転選出することもある。GPファイナル終了時のポイントでは安藤、中野、恩田、荒川、村主の順で、安藤が断然有利。内定選手は25日の女子フリー終了後の日本スケート連盟理事会で最終決定、発表される。

■全日本選手権

74回目を迎える日本一決定戦。女子では92年アルベールビル五輪銀メダルの伊藤みどりが最多の9回優勝。連覇は8が最多で、80年レークプラシッド五輪6位の渡部絵美(72〜79年)と伊藤みどり(85〜92年)が達成している。現役選手では村主章枝が3連覇(00〜02年)を含む4回の優勝。荒川静香は97、98年に連覇。03、04年大会を制した安藤美姫が今回3連覇を狙う