2005.12.04 更新
美姫まさか2回転倒もGPファイナル滑りこみ
よもやの2度の転倒。大ピンチに陥った安藤だが、GPファイナル進出を決めた。“運も実力”のうち…=撮影・岡田亮二
フィギュアスケートGPシリーズ第6戦NHK杯第3日(3日、大阪なみはやドーム)女子フリーで、全日本女王・安藤美姫(17)=中京大中京高=が合計154.34点で4位に終わったが、グランプリ(GP)シリーズの総合順位で6位に入り、上位6人によるGPファイナル(16〜18日、国立代々木競技場)進出を決めた。中野友加里(20)=早大2年=が合計158.66点で初優勝、村主章枝(24)=avex=が2位になった。GPファイナルに出場する日本人選手は2位で浅田真央(15)=グランプリ東海ク、4位で中野、安藤の3人。浅田を除く2人は来年2月のトリノ冬季五輪代表へ“一歩リード”だ。
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スタンドのどよめきが消えない。冒頭のコンビネーションジャンプで右手をついた安藤が、その後も氷をつかめない。苦手ではない3回転フリップなど2度のジャンプで、いずれも転倒だ。前日のショートプログラム(SP)で4位と出遅れ、巻き返しを狙ったフリーでも不完全燃焼に沈んだ。
「思うように足が動かず、コケてしまった。足がパンパンでした…」
前週のロシア杯に続く2週連続の試合。蓄積された疲労を取り除こうと、前日からあらゆることを試みた。入念なマッサージを受け、睡眠を十分に取り、朝には足を湯に浸して、自らももみほぐした。
そして、決断する。悩みぬいた末に美姫スペシャルの4回転サルコーの封印を演技直前に決めた。「やりたい気持ちはあったけど、体調がよくなかった。トライしてけがをしてもいけないので」。安全策で臨んだにもかかわらずミスの連続。気持ちは前向きでも、体がついてこなかった。
それでも、“幸運の女神”は安藤にほほえんだ。SP首位コストナー(イタリア)らがミスを連発。GPポイントと獲得順位で並んでいたロシェット(カナダ)を2試合合計スコアでわずかに上回って4位をキープしたことで、GPシリーズの総合ポイントは6位。出場資格ギリギリ、滑り込みでGPファイナル進出が決まった。3位以内に入ればトリノ五輪代表内定の場合がある重要な大会。その舞台に立つことは、代表レースで優位となる。
今大会で優勝した中野、年齢制限で五輪出場資格のない15歳の浅田との出場になるが、安藤はそこで4回転サルコーを繰り出すことを明言した。
「(2人には)勝ちます。トリノに行きたいし、疲れが抜ければいい演技ができる自信がある。次からは4回転を入れていきます。表彰台に立ちますよ」。厳しい戦いをくぐり抜けたことで、闘争心も蘇った。2週間後、今度こそ本来のミキティをみせつける。
(片倉尚文)
■GPシリーズ
国際スケート連盟(ISU)が公認した一連の国際大会。今季は10月下旬のスケートアメリカから、今大会のNHK杯まで全6戦。それぞれの試合の成績をポイント化し、NHK杯終了時の上位6位までが、GPファイナルに出場できる。
■トリノへの道
原則として今季の成績をポイント化し、昨季の持ち点との合計で男子1人、女子3人を決定する。対象大会はGPシリーズ2大会、GPシリーズ上位6人で争うGPファイナルなどの成績のよいもの2大会と、全日本選手権。GPシリーズ、全日本ともに優勝が600点。優勝者に800点が与えられるGPファイナルで3位以内のときは代表内定の場合もある。ポイントの差が10%以内であれば逆転させる場合もある。
■五輪代表争い
GPファイナル出場を決めた安藤が一歩リードした。原則としてポイントで争っているだけに、優勝で800点、最下位の6位でも550点を得られるGPファイナル出場の意義は大きい。他の選手は、ほぼ横一線。最終選考会の全日本選手権(23〜25日、東京)の結果が勝負をきめそうだ。
| フィギュアスケート女子トリノ五輪代表争い | ||||
|---|---|---|---|---|
| 順 | 氏名 | 所属 | 年齢 | 獲得点 |
| 1 | 安藤美姫 | 中京大中京高3年 | 17歳 | 1665 |
| 2 | 恩田美栄 | 東海学園大職 | 22歳 | 1564 |
| 3 | 荒川静香 | プリンスホテル | 23歳 | 1560 |
| 4 | 村主章枝 | avex | 24歳 | 1500 |
| 5 | 中野友加里 | 早大2年 | 20歳 | 1443 |
| フィギュアGPシリーズ順位 | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 順 | 名前 | 所属・国籍 | 第1戦 | 第2戦 | 第3戦 | 第4戦 | 第5戦 | 第6戦 | 合計点 |
| 1 | スルツカヤ | ロシア | − | − | 1 | − | 1 | − | 24 |
| 2 | 浅田真央 | グランプリ東海ク | − | − | 2 | 1 | − | − | 21 |
| 3 | シスニー | 米国 | 2 | 1 | − | − | − | − | 21 |
| 4 | 中野友加里 | 早大 | − | 3 | − | − | − | 1 | 19 |
| 5 | ソコロワ | ロシア | 1 | − | − | 6 | − | − | 15 |
| 6 | 安藤美姫 | 中京大中京高 | − | − | − | − | 2 | 4 | 14 |
| 8 | 荒川静香 | プリンスホテル | − | − | 3 | 3 | − | − | 14 |
| 9 | 恩田美栄 | 東海学園大職 | 3 | − | − | − | 3 | − | 14 |
| 11 | 村主章枝 | avex | − | 8 | − | − | − | 2 | 10 |
| 【注】上位6人がGPファイナルに出場。得点は1位=12、2位=9、3位=7、4位=5、 5位=4 、6位=3、7位=2、8位=1点。同点の場合は(1)最高位(2)総得点などで 順位を決定 |
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★高橋、圧巻の演技で自己ベスト首位!
ワイルドなマスクにセクシーな振り付け。表現力を示す5項目でただ1人7点台を弾きだした高橋が、男子ショートプログラムで自己ベストの77.70点をあげて首位に立った。「自分でもビックリ。ミスのない演技ができてよかった」。
トリノ五輪の日本男子の代表枠は「1」。激しい争いが、ハイレベルな演技を引き出している。関大の1年後輩、織田が自己ベストを出した直後の滑り。「自分は自分と言い聞かせた」。今季初戦のGPシリーズ、スケートアメリカで優勝した19歳の自信は揺るがない。「フリーでも自分の演技ができれば」。攻めの演技でGPファイナル進出を狙う。
◆今季限りで引退する本田武史(IMG)は5位スタート
「選手生活をいい形で締めくくりたい。最後のNHK杯なので楽しんで滑りたい」


◆74.15点の自己ベストで2位発進の織田信成(関大1年)
「地元なので、たくさんの声援をもらって気持ちよく演技できた。この順位をキープしたい」