2006.02.24 更新
地元・仙台が、所属先が、首相が…日本中が荒川の「金」に喜びの声
荒川静香選手の金メダルが決まり、喜びを爆発させる長久保裕コーチ(中央)ら=24日午前7時ごろ、仙台市
荒川静香選手の金メダル獲得を伝える阪急梅田駅の大型モニター画面=24日午後、大阪市北区
荒川静香選手の金メダルを報じる号外を受け取る女性=24日午前、JR博多駅
★「しーちゃんが1番だ!」−緊張の静寂から大歓声に
緊張の朝の静寂に新女王の愛称が響いた。「しーちゃんが1番だ!」。荒川静香選手が5歳でスケートを始めた仙台市では24日早朝、小学1年から11年間指導した長久保裕コーチ(59)らが快挙に喜びを爆発させた。
待ち切れない友人ら約30人が午前4時ごろから市内の飲食店に集った。荒川選手が大好きなアイスクリームを食べ談笑していたが、最終グループの6人になると表情が引き締まり、ため息や深呼吸に変わる。
荒川選手が登場し静寂。「イエイッ」。8年前の長野五輪では転倒したジャンプが決まる度、長久保コーチの短い感嘆が響く。イナバウアーで銀盤を横断した終盤には、集まったほとんどの人の目から涙がこぼれた。
「みんな華麗な技の影にあるたくさんの試練を知ってるから」と小学生だった荒川選手に基本技術を手ほどきした本郷裕子さん(33)。
「真ん中に立ってる。信じられない…」。同い年でスケートを始め共に長野五輪に出場したペアの荒井万里絵さん(24)は、表彰台の一番高い位置でほほ笑む??戦友?≠?見つめた。長久保コーチは「気持ちが一番強かったということ。すごい女だなあ」と少し力が抜けたようにつぶやいた。
★愛子さま金メダルにお喜び−皇太子ご夫妻も
宮内庁の林田英樹東宮大夫は24日の定例記者会見で、トリノ五輪フィギュアスケート女子で荒川静香選手が日本人初の金メダルを獲得したことについて、皇太子ご夫妻と長女愛子さまが、大変喜ばれた、と話した。
愛子さまは今シーズンからスケートを始められている。演技はテレビ放送の録画で観戦されたという。
★「やってくれたね」−首相が荒川選手を絶賛
小泉純一郎首相は24日午前、トリノ冬季五輪のフィギュアスケート女子で荒川静香選手が金メダルを獲得したことについて「やってくれたね」と絶賛した。
首相は「メダルを取ってくれればと思っていたが、金とはうれしい。(荒川選手の)一連の行事が終わったら電話で話したい」との意向を示した。
また「(荒川、村主章枝、安藤美姫)3選手の本当にひた向きに頑張る姿を感動しながら見ていた」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。首相は同日午前の閣僚懇談会でも荒川選手を「素晴らしい演技で感動的だった」とたたえた。
★素晴らしい演技に感動−閣僚が荒川選手たたえる
トリノ冬季五輪のフィギュアスケート女子で荒川静香選手が金メダルを獲得したことに24日午前、閣僚から偉業をたたえる声が相次いだ。
小坂憲次文部科学相は閣僚懇談会で「やっと日本選手がメダルを獲得できた。大変喜ばしい」と報告。「残っている競技でも日本選手が有終の美を飾ってほしい」と述べた。
安倍晋三官房長官は同日午前の記者会見で「やや寂しい気持ちだった中で本当にうれしかった。逆境に打ち勝ち、困難を乗り越えて金メダルを獲得した荒川選手に心からおめでとうと申し上げたい」と祝福した。
杉浦正健法相は記者会見で「ただ1つ、さんぜんと輝く金メダル」と自作の俳句を披露。「東洋で初めてなんでしょ。素晴らしいことだ。後に続く人が励まされてメダルを取ってくれればいい」と述べた。
竹中平蔵総務相も記者会見で「あれだけのプレッシャーの中で頑張ってくれた。国民の1人として率直に喜びたい」と述べた。
★「東北人の粘り発揮」−荒川金メダルに沸く仙台
「えっ、金メダル?すごい」。「荒川金」と大見出しの号外に、中年女性が声を上げながら手を伸ばした。「東北人の粘りを発揮した」「うれしい」。JR仙台駅前は24日朝、地元出身の荒川静香選手の大活躍に沸いた。
仙台市太白区の地域誌編集者渡辺慎也さん(74)は号外が目的で仙台駅に。感慨深そうに「待ちに待った金メダルが東北の選手によって得られたことがうれしい。東北人の粘り強さが発揮された」と話した。
宮城県松島町の大学生今野あゆみさん(19)は、家族で朝食を食べながらテレビ観戦。「今までの集大成という意気込みと、自分の演技に対するこだわりを強く感じた。スケートに対するストイックな取り組みを尊敬する」と真剣な表情。
青森県五所川原市の主婦(48)は「失敗なく滑らかに、流れるように滑っていた。とても良い演技だった」と声を弾ませ、拍手のしぐさをした。
★荒川選手応援のホテル会場、総立ちで「おめでとう」
荒川静香選手(24)が所属するプリンスホテルでは24日早朝、東京都港区の新高輪プリンスホテルに設けた応援会場に社員ら約150人が集まった。金メダルが決まると全員総立ち。「やったー」「金メダルおめでとう」の声が飛び交った。
会場には縦4メートル、横6メートルのスクリーンが設置され、荒川選手が次々とジャンプを成功させると大歓声。最後のスピンを終えた瞬間、メダルを確信した会場は大きな拍手に包まれた。
優勝が決まり、アイススケートショーで荒川選手と共演している今井花絵さん(29)は「すごく楽しんで滑っていた。表情もすてきでした」と笑顔。鉢巻き姿で応援の先頭に立った田辺正幸さん(37)は「僕たち社員だけでなく、日本の皆さんに感動を与えてくれた。ありがたい気持ちでいっぱいです」と興奮した様子だった。
グループ会社の西武鉄道から後藤高志社長(57)も駆けつけ「本人の努力と精進、精神力の強さが最高の形で出た」と満足そうに話した。
★金メダル、うれしい−号外に喜びの声
荒川静香選手(24)の金メダルに喜びの声がわいた。東京・JR新橋駅前では24日朝、「荒川『金』」の号外をサラリーマンらが次々と受け取り「最後で金が取れた。うれしい」などと喜んだ。
早朝から起きてテレビを見ていたという大学院生の日極繁さん(25)は「ミスなく結果を出せて良かった」。自営業の村上勉さん(60)は「今まで五輪のテレビを見る気がしなかったけど、今日は1日中見ていたい」と話した。
安藤美姫選手(18)を応援していたという主婦の山田法恵さん(36)は「4回転ジャンプができていれば金が取れたかもしれないのに残念。まだ若いから次も頑張ってほしい」と話した。
★金メダルの荒川選手に宮城県民栄誉賞
宮城県の村井嘉浩知事は24日、トリノ五輪フィギュアスケート女子で金メダルを獲得した荒川静香選手(24)=宮城県出身=に県民栄誉賞を贈る方針を明らかにした。
村井知事は記者団に「県民に感動と夢と希望を与えてくれた」と話した。宮城県庁の窓には「祝・金メダル」などと文字が張られた。
宮城県民栄誉賞はこれまで元プロ野球投手の佐々木主浩氏、ノーベル化学賞の田中耕一氏が受賞している。


◆宮里藍(女子ゴルフ)の話
「日本はここまで厳しい状況だったけど、注目されているフィギュアスケートで、(宮城・東北高の)先輩の荒川選手が金メダルを取ったのはすごくうれしい。日本にとってもビッグニュースだと思う」