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2006.02.23 更新

 

安藤美姫はちょっぴり出遅れ8位、フリーは「4回転」必ず決めます!

ミスを連発して8位発進となった安藤。でも、ミキティには、あれがある。フリーでは開き直って「4回転サルコー」に集中する(撮影・岡田亮二)

ミスを連発して8位発進となった安藤。でも、ミキティには、あれがある。フリーでは開き直って「4回転サルコー」に集中する(撮影・岡田亮二)

女子ショートプログラム(SP)で、注目の安藤美姫(18)=中京大中京高3年=は56・00点で8位発進。冒頭の連続ジャンプで手をつき、終盤のスパイラルでフェンスにぶつかるなどミスが響き、出遅れた。23日のフリーでは「4回転サルコー」に挑戦することを改めて明言。今季初の“美姫スペシャル”投入で大逆転のメダルを狙う。2大会連続出場の村主章枝(25)=avex=は安定した演技で61・75点をマーク、メダル圏内の4位につけた。

悔しさはない。満足感だけが安藤を包み込んでいた。「自己採点は61点。ジャンプでミスをして、フェンスにもぶつかったり、全体的にアピールできなかった。でも、笑顔で滑ることができたし、エンジョイ度は182点です。ちょっと興奮してます!」。

有名デザイナーのワダエミさんがデザインした黒を基調とした新衣装を着ての初演技。冒頭の3−3回転で着氷に失敗し、左手を氷についた。終盤のスパイラルではフェンスに手をぶつけ、得点は伸びず8位発進だったが、五輪初体験の喜びを素直に感じていた。「衣装は1番だと思うし、笑顔という1番の持ち味も出せたのでよかった。(得点は)もっと低いと思いました」。

このSPは、亡き父にささげた。振付師のデビッド・ウィルソン氏から「ボクはこれを聞いて両親を思いだした」と手渡された「戦場のメリークリスマス」。安藤もこの曲を聴いたとき、8歳の時に交通事故死した父を思いだしたという。

見付小3年で名古屋市内のスケート教室に入会した直後に、父・幹高さんが交通事故で他界。美しい姫のように育つように、幹高さんの「みき」を取って名付けられた娘は突然の別れにふさぎ込んだ。「デビッドと私の2人の思いを込めて演技をしたつもりです」。19日の会見では亡き父のことを問われ、大粒の涙をこぼした。父と自分だけの絆−それほどの強い思いを胸に演技した。

3位につけた荒川との得点差は10・02点。逆転メダル獲得は極めて困難な状況だが、安藤にはメダルよりも重要なものがある。「今回は順位を求めてトリノに来たわけではありません。フリーでは強い気持ちで4回転に挑戦します。4回転をやるためにトリノに来たのだから、悔いは残したくありません」。

世界でただ1人、実戦で跳んだ経験のある4回転。決めれば女子では五輪史上初の偉業。基礎点も3回転サルコーの「4・5」から「9・5」に跳ね上がるだけに、上位が崩れればメダルの可能性もある。滑走順は24人中14番。亡き父は安藤のスケートをしている姿を知らずに逝った。五輪で成長した自分を見せるため、最後の組で滑る上位陣にプレッシャーをかけるため、ミキティは4回転に集中する。

◆日本スケート連盟・城田憲子強化部長

「荒川と村主はよくやった。これまで多くの修羅場をくぐり抜けてきた経験が生きた。上位3人は横一線。フリーでも力を出し切ってほしい。安藤は、緊張からかスケートが滑らず、スピードがなかった。でも、今回はいい経験と考えている」

★伊紙など日本勢絶賛、荒川“逆転金”の可能性示唆

フィギュアスケート女子SPの結果に地元イタリア各紙は22日付朝刊で、荒川が首位と小差の3位、村主が4位につけて上位に食い込んだ日本勢について「アラカワは全く失敗しなかった」(レプブリカ紙)、「アラカワ、スグリは失敗なく、好位置につけた」(スタンパ紙)と報じた。フランスのスポーツ紙レキップは「荒川の優美さ」の見出しで、SPで自己最高得点を出したことや曲と演技内容を全面的に変えたことを伝え、「戦略変更が当たった。(フリーで)精神力が持ちこたえられれば、最後に人々を驚かせるだろう」と逆転金メダルの可能性も示唆した。

★一夜明け練習、美姫は執念で7回転成功

SPで3位・荒川、4位・村主、8位・安藤の3人は22日、パラベラ競技場で公式練習を行い、23日のフリーに備えた。金メダル獲得がなれば、日本女子としては98年長野五輪スキー・モーグルの里谷多英(フジテレビ)以来2人目の快挙となる荒川は、連続ジャンプに何度もトライし、3−3回転も成功させて臨戦態勢。村主も3−2回転ジャンプをきっちり決めた。

安藤は40分の練習の大半を使い、7度も4回転にトライ。フリーで挑む大技「4回転サルコー」を着氷した(共同)。最初は転倒、2度目と3度目は回転不足、4度目と5度目は転倒、6度目は回転不足と苦しみながら、7度目に執念で成功させ、笑顔をみせた。

★視聴率は11・1%

NHKが生中継したトリノ五輪フィギュアスケート女子ショートプログラムの視聴率は、22日午前4時半から5時までの30分間の集計で、関東、関西両地区とも11・1%(ビデオリサーチ調べ)だった。