本文へ
アルペンクロスカントリージャンプノルディック複合フリースタイルスノーボードスピードスケートフィギュアスケートショートトラックバイアスロンボブスレースケルトンリュージュアイスホッケーカーリング

2006.02.23 更新

 

荒川静香、逆転の金メダルへ!2種類の3回転連続ジャンプで狙え

今大会、メダルなしにあえぐ日本勢に光が見えた! 荒川がきた。日本フィギュア初の金メダルも狙える(撮影・岡田亮二)

今大会、メダルなしにあえぐ日本勢に光が見えた! 荒川がきた。日本フィギュア初の金メダルも狙える(撮影・岡田亮二)

魅せた、見えた、金メダル! 女子ショートプログラム(SP)で荒川静香(24)=プリンスホテル=が自己ベストとなる66・02点をマークして3位につけた。1位サーシャ・コーエン(21)=米国=との差はわずか0・71点で、23日(日本時間24日未明)のフリーでの逆転金メダルも十分に射程圏。今季限りで現役引退してプロに転向する意向の荒川が、全身全霊をかけた演技で金メダルに挑む。さぁ、フリーで魅せる3回転−3回転、あの華麗なイナバウアーで輝いて!!

一点の曇りもない。高々と右腕を上げたフィニッシュ。会心の笑顔が満面に広がる。荒川は電光掲示板に映し出された得点に一度驚き、そして笑った。66・02点。燃えるようなワインレッドの新衣装を身にまとい、SPの自己ベストを1年3カ月ぶりに1・82点更新だ。

1位の全米女王コーエンと0・71点、2位の世界女王スルツカヤとは0・68点の僅差。今大会、不振にあえぐ日本初のメダル獲得どころではない。92年アルベールビル大会銀メダルの伊藤みどりを超えて、フィギュア初の金メダル獲得に手をかけたのだ。「自分でもビックリ。最初のジャンプの乱れを引きずらなかったのがよかった」。

ベテランらしい機転が高得点を呼び込んだ。冒頭のジャンプ。3−3回転の予定を3−2回転に変えた。最初の3回転の着氷でわずかにバランスを崩したからだ。「空中で2回転に変えました」。極限まで高めた集中力が、危機を回避させた。ジャンプ以外の5要素のうち4つが最高難度のレベル4の判定。スケート技術の採点では全選手で最高の7・82をマークした。

身も心も一新させて挑んだ2度目の五輪。年末に04年世界選手権制覇に導いたタラソワ・コーチのもとを離れ、ニコライ・モロゾフ氏に師事。SPの楽曲をフリーで使用していた「幻想即興曲」に変更し、フリーの楽曲を世界選手権優勝時の「トゥーランドット」に戻した。「何がベストなのかを考えた結果です」。悔いは残さない。賭けでもいい。自分の意思で行動した。

短期間でのプログラム変更。練習拠点の米シムスベリーでのトレーニングは壮絶を極めた。練習中に転倒し、左肩を脱臼。本番直前までテーピングをして練習。スピンの練習を繰り返し、右足かかとも痛めた。痛みは消えない。1週間前に右のスケート靴を替え、フランス人男子選手が使用した衝撃緩衝用のパットを底にしのばせた。

モチベーションの上がらぬまま出場した昨年の世界選手権で9位と惨敗。再び闘争心に火がつき、この五輪を実現させたが、今季限りで競技者人生に終止符を打ち、プロに転向する意向をもっている。「順位も得点も気にしない。フリーは楽しんで滑りたい」。金メダル獲りのへ秘策は、ある。SPでは入れ逃した2種類の3−3回転を冒頭に入れるのだ。これが成功すれば後半、上体を反らせて銀盤を横断する、荒川にしかできないイナバウアーからの3回転−2回転−2回転で最大の魅せ場がやってくる。きっちり決まったそのとき…。歴史が動く。

(片倉尚文)

◆小泉純一郎首相は22日、トリノ五輪のフィギュアスケート女子SPで、荒川が3位につけるなど日本勢の健闘に

「ひた向きな姿に感動しながら(テレビを)見てますよ。頑張ってもらいたい」とエールを送った。官邸で記者団に語った」

★フリー滑走順

女子フリーの滑走順抽選がSP終了後に行われ、SP3位・荒川静香(プリンスホテル)が最終グループの21番、4位の村主章枝(avex)が22番滑走に決まった。8位の安藤美姫(愛知・中京大中京高3年)は第3グループの14番。首位サーシャ・コーエン(米国)は20番、2位のイリーナ・スルツカヤ(ロシア)は最終24番の滑走。フリーはSP上位24人が進出した。

■新採点システム 

フィギュアスケートでは、トリノ五輪で初めて「絶対評価」が採用される。02年ソルトレークシティー五輪ペアの不正採点疑惑を契機に昨季から採用され、従来の6点満点制は廃止された。新システムではジャンプ、ステップ、スピンなど各要素について得点を加算していく技術点と、表現力を示す演技点の合計が総得点になる。かつて総合順位はSPとフリーの順位点で決定。相対評価の6点方式ではSPで4位以下になると、自力優勝は難しくなったが、新方式ではSPとフリーの総得点で決まるため大逆転も可能となった。

女子ショートプログラム・上位3選手の得点内訳
項目コーエンスルツカヤ荒川静香
【要素点】35.3336.2135.93
3回転ルッツ+2回転トーループ7.167.447.30
3回転フリップ5.796.075.36
ダブルアクセル3.104.444.30
フライングキャメルスピン(3)2.59(4)3.64(4)3.50
スパイラルステップ シークエンス(4)5.40(4)3.83(4)4.69
レイバックスピン(4)3.19(4)3.19(4)3.11
ストレートラインステップ(3)3.74(3)3.39(3)3.60
コンビネーションスピン(4)4.36(4)4.21(4)4.07
【演技点】31.4030.4930.09
スケート技術7.757.797.82
要素間のつなぎ7.547.217.29
演技力8.007.797.57
振り付け7.897.577.54
曲の解釈8.077.757.39
66.7366.7066.02
【注】かっこ数字はスピン、ステップのレベル数

フィギュアスケート女子過去の五輪入賞者
開催地氏名順位
64インスブルック福原美和5位
1380レークプラシッド渡部絵美6位
1588カルガリー伊藤みどり5位
1692アルベールビル伊藤みどり
佐藤有香

7位
1794リレハンメル佐藤有香5位
1902ソルトレークシティー村主章枝5位
【注】入賞は第13回まで6位以内、それ以降8位以内