2006.02.17 更新
別次元の強さプルシェンコ−静かに確実に、金に着
フィギュア男子で優勝、金メダルにキスするプルシェンコ=パラベラ競技場(共同)
故障を経験する前の爆発的なエネルギーはない。だが23歳にして王者の風格が漂うプルシェンコには、4年前にはなかった技の精度と確実性が備わっていた。「特別な演技ではなかったが、金メダルを取るために必要なことをした」。落ち着いた口ぶりで、静かに笑った。
映画「ゴッドファーザー」の有名な調べを使ったフリーでは、冒頭でいきなり4回転―3回転―2回転の連続ジャンプに成功。さらにトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をコンビネーションと単発で2度も決め、演技前半で勝負はついた感があった。
普通の選手が全力で成功させる大技も、プルシェンコには余裕がある。踏み切り、回転軸などどれかが完ぺきでなくても、途中で修正して着氷につなげてしまう。SP2位とした後、ウェア(米国)が「僕は銀メダルを狙っていく。弱気なのでなく、現実的なんだ」と言ったのもうなずける。
ソルトレークシティー五輪は4回転ジャンプで転倒したSPの出遅れが響いて銀メダル。昨春に両脚付け根の手術を受けるなど「長くはなかったが、ハードだった」という4年間を経て、念願の金メダルを手中にした。
フリーを前にミシン・コーチが言ったのは「危険を冒さず、一つずつこなしていけ。あまり感情を込めすぎるな」。教え子の別次元の強さを熟知しているから出せる指示だった。(共同)

