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2006.02.17 更新

 

高橋大輔8位、「織田君に悪いな」−フィギュア男子フリー

男子フリーの演技を終え肩を落とす高橋大輔=パラベラ競技場(共同)

男子フリーの演技を終え肩を落とす高橋大輔=パラベラ競技場(共同)

男子のフリーを行い、ショートプログラム(SP)5位からメダルを目指した高橋大輔(関大)は、序盤のジャンプで転倒するなど得点が伸びず204・89点で8位に終わった。

優勝は前回銀メダルのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)で、SPに続きフリーでも最高点をマークし、258・33点で圧勝した。2位は昨季の世界選手権覇者のステファン・ランビール(スイス)で231・21点、3位は同2位のジェフリー・バトル(カナダ)だった。(共同)

★高橋、8位の経験を財産に−焦って「織田君に悪いな」

4分39秒の演技が終了すると、不完全燃焼の思いで両手を両ひざに置いた。「不満がいっぱい。あまりいい成績でなくて、織田君に悪いなと思った」。フィギュアスケートの男子フリー。SP5位からの逆転メダルを狙った高橋は8位入賞に表情を曇らせた。

初めての五輪で最終滑走の重圧を受けた。お昼に大好きなチョコクロワッサンがなかなかのどを通らなかった。幕開けの4回転ジャンプで転倒して「焦ってしまった」。しかし、ミスを続け、15位と惨敗した昨季の世界選手権と違っていた。

さらに攻めた19歳は2度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功。同じ種類の3回転を多く跳び、ルッツが0点の採点となるミスで技術点は低くなったが、表現力を示す5項目で世界レベルの7点台を並べた。

ステップやスピンも緊張からか、いつもの切れや速さを欠いたが「逃げずに攻めた結果。よくやった」と長光コーチ。一人で乗り込んだ日本の代表の意地は見せた。

昨年末の全日本選手権で採点ミスが起き、関大の後輩、織田信成と順位が入れ替わる珍事で優勝した。五輪の代表1枠を争ってきた織田からは「おめでとう」と祝福の言葉をもらったが、後味が悪かったという。

織田は昨年の世界ジュニア王者。高橋は「これまでは追われることがなかったし、絶対に負けられないと思える選手がいなかった。五輪に出るため(織田は)ぼくを強くしてくれた」。

織田とは練習拠点を同じくする。「4年後は2人で五輪に行きたい。これでスケート人生が終わるわけでないし、もっと強くなった高橋大輔で行きたい」。バンクーバーでの日本男子初のメダル獲得に向け、世界トップと五輪で戦った貴重な経験が財産になったはずだ。

高橋大輔選手の演技終了後、学生らと肩を組み健闘をたたえる織田信成選手(中央)=17日朝、大阪府吹田市の関西大

高橋大輔選手の演技終了後、学生らと肩を組み健闘をたたえる織田信成選手(中央)=17日朝、大阪府吹田市の関西大

★高橋選手の地元や関西大−「よくやった大輔」

「よくやった大輔」。フィギュアスケート男子フリーが行われた17日早朝、高橋大輔選手が通う関西大や地元の岡山県倉敷市で、同級生や恩師らが、日の丸の小旗やメガホンを手に熱い声援を送った。

大阪府吹田市の関西大総合学生会館には学生ら約300人が集まった。

午前7時、最終滑走者の高橋選手の姿が大型スクリーンに映り「タカハシ」コールが始まった。最初の4回転ジャンプで転倒し「ああーっ」と悲鳴が上がったが、得意のスピンを華麗に決めると「頑張れ」「いいぞっ」と掛け声が飛んだ。

予想外に低い得点。「ええっ」とため息が漏れたが、すぐ「よくやった大輔」と温かい拍手に変わった。最後まで五輪出場を争った織田信成選手は「ショートプログラムよりリラックスして実力は出ていたと思う。思ったよりジャッジが辛かったが五輪で8位はすごい」と健闘をたたえた。

「そんなー」。高橋選手の母校、岡山県倉敷市の倉敷翠松高校講堂。メダルに届かないと分かり集まった約60人から、落胆の声が漏れる。

母親の清登さん(56)は「最後に笑顔を浮かべたのは精いっぱい滑れたのだと思う。皆さんの期待に応えられなかったが、頑張ったねと声を掛けたい」と涙を浮かべた。 高橋選手を小学校から指導した倉敷フィギュアスケートクラブの佐々木美行監督(49)は「今まで苦労して積み上げたものを、次のバンクーバーで生かしてほしい」と話した。

★高橋のルッツは0点

フリーで高橋の得点が伸びなかったのは、基礎点6点の3回転ルッツが0点になったため。

ルールでは、3回転(3回転半を含む)または4回転を2種類のみ繰り返して跳べることになっている。高橋は最初の4回転トーループが回転不足で3回転トーループの判定を受けたことが響いた。

高橋は2度の3回転半のほかに、3回転ルッツ―3回転トーループを跳んだ。この時点で3回転トーループと3回転半の2種類を繰り返したことになる。気付かず8番目の要素としてさらに3回転ルッツを跳んだため、これが対象外となった。

3回転ルッツを基礎点3・3点のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)に変えていれば、7位になっていた。