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2006.02.23 更新

 

日本は大健闘の7位入賞!「悔しさ半分と、充実感も」

よくやった。小野寺(中央)のショットが最後までチームを引っ張った。左は目黒、右は本橋

よくやった。小野寺(中央)のショットが最後までチームを引っ張った。左は目黒、右は本橋

大健闘に拍手! 1次リーグが終了し、女子の日本は最終戦で強豪スイスに5−11で敗れ、通算4勝5敗の7位入賞にとどまった。準決勝進出は逃したが、カナダ、英国といった五輪優勝経験のある強国を破った5人娘の奮闘に、日本中でカーリング人気が急上昇。来年3月に青森市で開催される世界選手権で悲願のメダル獲得を目指す彼女たちを応援しに行こう!!

かすかな夢が打ち砕かれた。5−7で迎えた第8エンド。スイスのスキップ(主将)の最終ショットが、直前に小野寺歩(27)がハウス(円)中心近くに置いた黄色いストーンを弾き飛ばし、4得点を追加。残り2エンド。6点差はばん回不可能と判断した小野寺は、潔くスイス選手と握手。ギブアップを宣言した。5敗目。3大会連続の1次リーグ敗退が決まった。

「勝って終わりたかった。でも、最後は粘れたので、よかったと思います。悔しさ半分と、充実感もあります」

小野寺の目から涙があふれ落ちた。作戦を立て、最後の2投を担うスキップは大きな重圧がかかる。任されたのは1年前だ。序盤は自らのミスショットでロシア、デンマークといった下位チームに黒星を喫し、泣き崩れた。それでも、他の4人の信頼は揺るがない。チーム青森は小野寺の情熱に引き寄せられたメンバーの集合だったからだ。

サードの林弓枝(27)ら北海道・常呂町の中学同級生で結成した「シムソンズ」で出場した前回ソルトレークシティー五輪が8位に終わった後、林とともに青森市で就職。北海道・富良野町のチームで世界ジュニア選手権4位と活躍した目黒と寺田も青森県内の大学に進学し、あこがれの小野寺のもとへ。常呂町出身の本橋も加わり、日本最強の5人娘がそろった。

「すばらしい仲間がついてきてくれた。5人が同じ目標に向かって努力した、いいチームでした」。立ち直った小野寺は世界ランク1位米国、長野五輪優勝のカナダ、ソルトレークシティー五輪優勝の英国といった強豪を相手に驚異的なコントロールのショットを連発。小泉純一郎首相をはじめ多くの国民をテレビにクギ付けにした。

この笑顔を来年、日本開催の世界選手権で。さぁメダル獲りだ。左から林、小野寺、本橋、目黒(撮影・尾崎修二)

この笑顔を来年、日本開催の世界選手権で。さぁメダル獲りだ。左から林、小野寺、本橋、目黒(撮影・尾崎修二)

カーリングが国内で完全生中継されたのは今回が初。東京都連盟・倉本憲男事務局長は「駆け引きを初めて見て、おもしろさを知った人も多いのでは」と将来に期待をよせる。“マリリン”の愛称が定着した19歳の本橋麻里はキュートなルックスも注目され、カーリングを広める“大仕事”を果たした功績も大きい。

小野寺は「ここでひと区切りつけたい」と引退を示唆した。だが、このまま華麗なショットを封印してしまうのは惜しい。来年3月には5人娘の本拠地・青森市で世界選手権が開催される。4人の気持ちを1つ合わせる共同作業が不可欠な競技で、経験こそが大きな財産。世界では40歳代の選手も珍しくはない。トリノを超える熱戦をみんなが待っている。

◆サード林弓枝

「(小野寺は)チームに大切な人。少しでも支えたいと思った」

◆セカンド本橋麻里

「もう五輪が終わっちゃうんだなという寂しい気持ちがある」

◆トリノ五輪・女子カーリング代表◆
氏名所属
小野寺 歩青森県協会27
林  弓枝青森県協会27
本橋 麻里青森明の星短大19
目黒 萌絵弘前大21
寺田 桜子青森公立大21

◆リード目黒萌絵

「五輪はあっという間で中身の濃い大会。自分たちも世界と互角に戦えると思った」

◆控えに回った寺田桜子

「みんなカーリングが大好きで情熱を持っていた。気持ちは1つだった」

◆小泉純一郎首相は21日、首相官邸で報道陣の質問に答え、日本が準決勝進出を逃したトリノ五輪の女子カーリングをテレビ観戦していたと明らかにし

「面白い競技だね。点数がどうなのか(ルールがよく)わからないけどつい見ちゃう。惜しかった。練習する場所がないから日本でどの程度普及するかね」と感想を語った」

▼カーリング 

15世紀ごろにスコットランドで始まったとする説が有力。名前はゆっくりと回転しながら滑る石が、曲がりながら進むことに由来。1チーム4人(リザーブ1人)で構成。ストーンと呼ばれる円形の石を、氷上約40メートル先の的(ハウス)に向かって1人2投、1チーム計8個のストーンを交互に投げ合いエンド(回)が終了。エンドごとに得点を数え、1試合で10エンドを行い総得点で勝敗を決める。得点の数え方は、ハウスの中心に一番近い位置にストーンを投げたチームに得点の権利が与えられ、そのストーンと相手チームでハウスの中心に一番近いストーンの間にストーンが何個あるかで得点が決まる。98年長野大会から正式種目に復帰。

■カーリングの役割

▼リード 各エンド、自チームの最初の2投を投げるプレーヤー
  ▼セカンド チームの2番目にストーンを投げるプレーヤー
  ▼サード チームで3番目にストーンを投げるプレーヤー
  ▼スキップ 作戦を決めプレーを指示するプレーヤー。各エンド最後の2投を投げる

★07年3月青森で世界選手権が開催

トリノ五輪の感動が国内で再現される。来年3月3〜11日に、青森市で世界選手権が開催されるのだ。アジアでは初の誘致に成功した。会場は青森県営スケート場で、観客席は580席を用意。チケットは今秋発売開始予定。カーリングの世界選手権は前身のスコッチ杯が59年に始まり、毎年開催(女子は79年から)。カナダが男子29度、女子13度と断トツの優勝回数を誇る。日本は女子が90年以降14度出場し、97年の4位が最高。男子は過去2度出場で02年の9位が最高となっている。

■ここでプレーできます

日本には常設のカーリング場は北海道・常呂町、同・妹背牛町、青森市、長野・軽井沢町の4カ所にしかない。だが、各都道府県の協会ではスケートリンクなどを利用して初心者向けのカーリング教室を開いている。東京都連盟でも神宮外苑スケート場などで毎月1回程度、公認インストラクターによるスクールを開催。ただし、五輪での人気で現在は申し込みが殺到し、すでに5月まで満員となっている。カーリングをやりたい人は急げ!