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2006.02.15 更新

 

歴史的快走!福田・夏見組が8位入賞−スキー距離女子団体スプリント

やったね、快記録。距離の日本女子として、初入賞を果たした福田(左)と夏見(撮影・奈須稔)

やったね、快記録。距離の日本女子として、初入賞を果たした福田(左)と夏見(撮影・奈須稔)

新種目で大躍進だ。団体スプリントを行い、女子で夏見円(27)=JR北海道=と福田修子(25)=弘果ク=が組んだ日本は予選を突破し、10チームによる決勝でも健闘し、距離で日本女子最高位の8位に入賞した。これまでの最高は72年札幌五輪15キロリレーの9位だった。男子で蛯沢克仁(川田工業)と恩田祐一(アインズ)が組んだ日本は予選1組で6着にとどまり、決勝進出を逃した。

青く澄み渡った空が、2人の笑顔を包み込む。ノルディック距離の日本女子として、札幌五輪のリレーで挙げた9位を34年ぶりに上回り、初入賞という快挙を果たした。お姉さん格の夏見は「予選を通過したから、楽しもうと臨んだ」。

1周目を終え、夏見が9位。そこから福田が追い上げる。「夏見さんと、五輪はお祭りだから楽しもうと話していた」と7位まで順位を上げる。そこから、イタリアと一騎打ち。地元の底力には及ばなかったが、目標の入賞は手に入れた。

同じコンビで臨んだ昨年2月の世界選手権はタッチの失敗が響いて15位と惨敗。福田は悔し涙を流した。ソルトレークシティー五輪スプリントで12位に入った夏見に、2歳下の福田も強化を始めた。駆け引きやタッチの巧拙が勝負を分けるだけに、息を合わせることが絶対条件。佐藤昭監督は「いいコンビだった」。

この種目を強化してきた全日本スキー連盟の成果でもあった。国立スポーツ科学センターとの連携で、心肺機能を強化する高地練習を取り入れた。さらに、スプリント陣は標高約1500メートルに位置する試合会場のプラジェラートではなく、200、300メートル低い場所で合宿を張る。藤本豊久コーチは「(低地のほうが)酸素が多く、疲れが取れやすい」。筋力の低下や疲労の蓄積を防ぐため、今大会は選手村に入らず、レース当日の移動で往復約4時間。だが、選手は納得して練習に集中した。

2人が組んで2シーズン目。今季のワールドカップ(W杯)キャンモア大会(カナダ)で8位の経験はあるが、福田は「五輪の8位は全然(重みが)違う」。ハツラツ娘コンビが低迷期脱出に光を差し込んだ。

◆夏見円の話

「ここまで来たら楽しもうと思った。それぞれのいいところが出せて、結果につながった。8番にはいきたいと思っていたが、初入賞のことは全然知らなかった。(共同)」

◆藤本豊久コーチの話

「6位ぐらいを狙っていた。選手の集中力と医科学のサポートが一緒になって成果が出た。次へのいいステップになった。(共同)」

◆佐藤昭監督の話

「福田と夏見はいいコンビだった。スプリントを重点的に強化し、国立スポーツ科学センターと協力して高地順化のシミュレーションなどを行ってきた成果だろう。(共同)」

■スキー距離団体スプリント

1キロ前後の短距離を競うスプリントの団体戦。1チームは2人で、周回コースを交互に3周ずつ、計6周する。今大会はクラシカル走法で、男子は1周1・3キロ、女子は1・1キロ。予選、決勝ともマススタート方式で、2組の予選で各組上位5チームが決勝に進んだ。五輪では今回が初の実施種目。

団体スプリント男子で決勝進出を逃した蛯沢克仁=プラジェラート距離競技場(共同)

団体スプリント男子で決勝進出を逃した蛯沢克仁=プラジェラート距離競技場(共同)

★思わぬ接触で逃した決勝−誤算続きの日本男子

予選の最終周の終盤、エースがアクシデントに襲われた。団体スプリント決勝への最後の枠を懸け、日本男子は5番手を争っていた。走路を変えようとした恩田がカザフスタン選手と接触して転倒した。立ち上がったときは5位だったが、その後で抜かれて6番目にゴールした。

順位が1つ及ばず予選で敗退した。レース後の恩田はうつむき加減で、険しい表情だった。報道陣からの問い掛けに「あとで」と言い残し、足早にコースをあとにした。

日本チームにとって最初の誤算は、恩田と組むはずだった駒村(ワセダク)の体調不良だ。長距離を得意とする蛯沢が代役を務めた。

スプリント種目は混戦になることが多い。経験豊富な蛯沢は「ときには勝負をかけなきゃいけない。運も実力のうち。それを補うくらいの実力が必要だと思う」と、潔く認めたあと、この種目の第1人者の恩田に「個人スプリントに帳尻を合わせてくれると思う」と期待した。(共同)

★初代王座は男女ともにスウェーデン

団体スプリントの初代王座は男女ともスウェーデン。男子のT・フレドリクソンは「これ以上何を望むんだ。完ぺきだ」と胸を張った。リンドが「予選を終えて勝てると思った。ただノルウェーも力がある」と決勝に臨んだように、北欧勢同士で終盤まで競り合ったが、最後は0秒6差で振り切った。

女子はダールベリが「スタート直後の混戦でストックとスキーに問題が起きた」。このアクシデントをものともせず、同国の距離女子では38年ぶりの金メダル。アンデションは「レース中はずっといい感触だった。ただゴールまで勝てると思っていなかった」と勝利の余韻をかみしめた。(共同)