2006.02.21 更新
佐々木、コースアウトも「回転」メダル獲得へ手応え
大回転で佐々木がコースアウト。回転を視野に果敢に攻めた(AP)
アルペンスキー男子大回転を行い、日本のエース・佐々木明(24)=ガーラ湯沢=は1回目で途中棄権に終わったが、強気な滑りで25日の回転でのメダル獲得に手応えをつかんだ。吉岡大輔(26)=アルビレックス新潟=は合計2分45秒03で24位。ベンヤミン・ライヒ(オーストリア)が合計2分35秒00で金メダルを獲得した。
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ストックを雪に向かって投げつけた。「チクショー!!」。佐々木が悔しさを爆発させた。1回目で途中棄権。本命の回転に向けての足慣らしとはいえ、強気な姿勢はいつもどおりだった。
「なんだかんだいっても、出る以上はトップを狙ってますから。あのままゴールすれば、いいところに行けたと思う」
スタートから切れ味鋭い滑りで旗門をなぎ倒して加速。最初の途中計時を首位のブルケ(カナダ)とわずか1秒65の差でクリアした。終盤の急斜面から緩斜面に移るところで勢い余って左ターンで旗門を通過できずにコースアウトした。が、攻めの姿勢を貫いたことに後悔はなかった。
冬季五輪の華、アルペンスキーでついに現れたメダルを狙える日本人レーサーだ。トップ選手の使用する用具が売り上げに直結するためメーカーが総力を注入し、欧米を転戦するスキーのW杯の中で最大の観衆と高視聴率をかせぐ種目がアルペン。日本勢は技術系の回転で名手を輩出し、とくに佐々木は欧州に複数のファンクラブがあるほどの人気選手だ。
「レースの日と練習の日とは段取りが違う。そういうものを大回転で感じることができた。もう今さらやることはない」
25日に勝負する本命種目の回転に向けて、手応えはつかんだ。急斜面の多いセストリエールは、2季連続でW杯5位に入るなど得意にしているコースだ。旗門の間隔が15メートルから13メートルに狭まったルール改正は、直線的な滑りの佐々木には不利とされたが、強気な鋭角ターンで克服。1月24日のW杯第7戦で2位となって自信を深めた。猪谷千春以来、半世紀ぶりの快挙へ。自らを天才と称する男が、日本のウインタースポーツ史を変える。
■アルペン日本史
56年コルティナダンペッツォ五輪の男子回転で、五輪2度目の猪谷千春がトニー・ザイラー(オーストリア)に次ぐ2位に入り、日本人初の冬季五輪メダリストとなった。これがアルペンで唯一のメダルだ。
日本は技術系の回転が得意で、これまでW杯で強豪の証となる第1シード(世界ランク15位以内)に海和俊宏、岡部哲也、木村公宣、皆川賢太郎、佐々木明と5人が入っており、佐々木はW杯で日本勢最高の2位を2度記録している。猪谷以降、五輪では92年アルベールビル大会男子複合(滑降&回転)の石岡拓也の9位が最高。女子では93年12月のW杯滑降3位の川端絵美が世界を相手に健闘した。
★女子スーパー大回転はドルフマイスターが史上初、滑降との2冠
女子スーパー大回転はミヒャエラ・ドルフマイスター(オーストリア)が1分32秒47で、史上初の滑降との高速系種目2冠に輝いた。アルペン複合を制したヤニツァ・コステリッツ(クロアチア)は2位となり、アルペン女子で最多の6個目のメダルを手にした。日本選手は出場していない。


◆吉岡大輔は24位
「2回目は気持ち良く滑れた。1回目の失敗がもったいない。昨年12月に左手の骨を折り、五輪は半分あきらめていた。(けがは)今はまったく影響がない。悔いはない」