伝統の一戦に“秘密兵器”登場か?
「康介と礼子は早慶戦に出させてもらう予定です」。水泳の名伯楽・平井伯昌コーチ(東京SC)のブログ『チーム平井練習日記』で、こんな一節が目にとまった。もちろん教え子である北京五輪代表の北島康介、中村礼子のこと。代表に決まった先月の日本選手権の後、しばらく間があくため練習の一環として早慶戦に出るようだ。
今年で第80回となる早慶戦は、18日に辰巳国際水泳場で開かれる。北島、中村はともに日体大出で早慶とは無縁とはいえ、平井コーチは早大時代マネジャーとして腕をふるった水泳部OBである。同コーチが両校に2人のオープン参加を申し出て快諾を得たという。
「久しぶりに見る母校の大会は、どんな感じなんでしょうか。楽しみです」と平井コーチはブログに書いている。かつてはシーズン開幕を飾る大会として熱戦を展開し、多くの五輪選手を輩出した伝統の一戦だった。最近は両校の力の差は開くばかりで、昨年は男子競泳で史上初めて早大が72−0の“完封勝ち”。リレー以外の種目で早大が1位から3位を占めた。
対戦成績も早大の75勝4敗と、対抗戦というにはあまりにも一方的だ。野球やラグビーの早慶戦とは違い、スタンドは関係者と選手の家族ぐらいで、報道関係者もいるかいないか程度。まさに“粛々”と行われていたが、思わぬスーパースターの飛び入りで今回は取材も殺到するのではないか。
2人は世界新連発の英スピード社の水着に対抗し、大阪の山本化学工業が開発した新素材による水着をテストする可能性もある。先週の小欄でとりあげた日本の期待を担う“秘密兵器”。色あせた伝統の一戦に、水泳界の熱い視線が集まりそうだ。
(サンケイスポーツ・今村忠)