2008年05月15日 更新

【大相撲】牛乳飯で肉体改造!琴欧洲が昇進後初の無傷4連勝

強い琴欧洲(奥)が戻ってきた。黒海を押し倒し、大関昇進後、初めて初日から4連勝だ=撮影・中川春佳

強い琴欧洲(奥)が戻ってきた。黒海を押し倒し、大関昇進後、初めて初日から4連勝だ=撮影・中川春佳

 夏場所4日目(14日、東京・両国国技館)カド番の大関琴欧洲(25)が黒海(27)を押し倒して4連勝。横綱白鵬(23)は得意の左上手投げで旭天鵬(33)を退け、初日からの連勝を4に伸ばした。普天王(27)との全勝対決を制した平幕豊ノ島(24)を加え、勝ちっ放しは3人となった。横綱朝青龍(27)は若ノ鵬(19)を逆転の左小手投げで下し、3勝1敗とした。(観衆=7000)

 長い腕が伸びる。足も出る。下から突き上げた琴欧洲が前へ、前へ。左からの強烈なおっつけで、黒海を押し倒した。

 「大丈夫かな? (黒海は)先場所あれだけ(12勝)勝ってたのにね」。カド番大関に、相手を気遣う余裕の笑みが広がった。大関昇進後、15場所目で初めて初日から4連勝。長く低迷していたが、浮上の光が見えてきた。

 初土俵からわずか11場所で新入幕。平成18年初場所に所要19場所で大関に昇進。ともに史上1位の“スピードキング”で勢いをみせつけたが、大関になってから急失速。最高10勝どまりで、地位にそぐわない結果が続いた。初日からの4連勝は、関脇だった平成17年秋場所以来(このときは12連勝)だ。

 3月の春場所は左腕を痛め、途中休場。2度目のカド番となる今場所を前に、肉体改造に踏み切った。食事量をいっきに増やしてどんぶり飯を4、5杯。最後の一杯はチーズや牛乳をかけて流し込んだ。

 痛めたのは、腕だったため、休場後2日後にはけいこ場に立って、しこやすり足で汗を流した。一時は140キロまで落ちた体重も、自己最重量の155キロまで増えた。「少しは(影響)あるんじゃないかな。もっと大きくなればいいけど。肉がなかなかつかないんでね」と気をよくしている。

 場内警備の仕事をしながら弟子の取組を見つめる師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「確かに食事の量は増えた。把瑠都(175キロ)みたいになってほしい。あとはハート次第だね」と目を細めた。場所中は、毎日自身の取組のビデオを見ている。動きのいい自らの姿を見て、さらに気分を盛り上げる。「ほんとに1日、1日です」。勢いを取り戻し、大器といわれた看板をかけ直す。

(渡部陽之助)

◆黒海

 「立ち合いがダメ。(琴欧洲の突き、押しにも)残れたけど、最後は大関に上からやられてしまった」

★白鵬ニッコリ余裕の全勝「立ち合いがいい」

 結び3番がすべて外国勢同士の取組で占められ、最後は白鵬が厳しい横綱相撲で締めくくった。鋭い踏み込みから、すぐに左前まわしをつかんだ。「立ち合いからすぐに取ったのは久しぶり。立ち合いがいい。だから流れがいいし、その後の動きもいいんでしょう」と自画自賛。取り口に精彩を欠く朝青龍とは対照的に、充実度を増す白鵬は「この相撲を取り続けたいね」とニッコリ。

◆平幕で唯一の4連勝となった豊ノ島

 「奇跡的。自分も左四つだけど、相手も左四つ。我慢して相手十分にならないようにと考えていた」

★朝青龍ヒヤリ3勝、対戦相手の気合ほめる

 若ノ鵬を小手投げで下し3勝1敗とした朝青龍は、余裕たっぷりに「差されてヒヤッとしたけどね」。先場所に続いて2度目の対戦の若ノ鵬がにらみ合いで目をそらさなかったことには「若さ? あれくらいでいいんじゃないですか」と相手の気合をほめた。2日目の把瑠都から大型力士との対戦が続くが、5日目も1メートル88、183キロの雅山戦だ。

◆朝青龍に胸を合わせて攻めた若ノ鵬

 「最初は自分の形になったけど、やっぱり横綱。悔しい」

◆魁皇をはたき込んで初日が出た雅山

 「こんな状態だから、勝ってうれしい。全敗で(横綱朝青龍と5日目に)当たるより、気持ちいいですからね」

名言迷言

◆琴光喜に内無双で敗れた把瑠都は、自己最高位の前頭筆頭で4連敗

 「これからですね。勝っても勉強、負けても勉強、死ぬまで勉強…」

元ホスト力士、朝山下(左)が初白星。実力もある!?=撮影・今井正人

元ホスト力士、朝山下(左)が初白星。実力もある!?=撮影・今井正人

★“元ホスト力士”朝山下が初白星!

 過去に例のない元ホストの経歴が話題となり、今場所前の新弟子検査に合格した朝山下(高砂部屋)が前相撲を取り、うれしい初勝利を挙げた。自身(68キロ)より、21キロ重い田島(芝田山部屋)に上手投げで勝った。前日の初土俵は黒星デビューだったが、夜の街から土俵で勝負をかける20歳の立ち直りは早かった。