2008年05月12日 更新

【マラソン】女王に死角なし!みずきVで五輪へスパート

競り合いにも強いんです! 野口(手前)がモンビとのマッチレースを制し、北京五輪に視界良好(代表撮影)

競り合いにも強いんです! 野口(手前)がモンビとのマッチレースを制し、北京五輪に視界良好(代表撮影)

五輪前最後のロードレースでV。北京用シューズも試すなど準備は進む

五輪前最後のロードレースでV。北京用シューズも試すなど準備は進む

 仙台国際ハーフマラソン(11日、宮城陸上競技場−仙台市役所前)女王に死角なし! 女子は北京五輪でマラソン2連覇を目指す野口みずき(29)=シスメックス=が1時間8分25秒の“コースレコード”で2年連続2度目の優勝を飾った。序盤から野口とジュリア・モンビ(23)=アルゼ、ケニア=のマッチレースとなり、残り1キロで振り切った。雨中のレースで自らの化粧にまで気を配る余裕もみせ、北京用シューズも試すなど五輪前最後のロードレースを視界良好で終えた。男子はアルン・ジョロゲ(19)=小森コーポレーション=が初優勝した。

 どんなレースでも負けたくない。昨年からハーフマラソン4戦3勝のモンビと野口との一騎打ち。最後は20キロ付近でスパートした五輪女王が振り切り、拳を突き上げてゴールを駆け抜けた。

 「ずっと併走で…。今までのレースはずっと独り旅だったから、(五輪の)いいシミュレーションができました」

 外国勢との競り合いは、五輪本番でも十分に想定できるだけに、北京五輪への“引き出し”がまた1つ増えた。

 2月の中国・昆明合宿中に原因不明の発疹(ほっしん)に見舞われ、予定した2大会出場をキャンセル。検査の結果、数値に異常はなく「ストレスやろ」(藤田信之監督)との結論に達した。野口も「久々のレースでワクワクした」。実戦主義で仕上げる感覚を大切にする。

 3年前に一部変更されたコースで昨年の自身の記録を29秒上回る“レコード”。1カ月におよぶ長野・菅平高原でのアップダウン練習の効果から、「ペースは速いのにきつくなかった」と脚力と心肺機能が培われた。心の余裕も女王の貫禄を漂わせる。「雨で顔がむくんでいないか、まゆげが取れてないか心配で…」。化粧やテレビ映りまで気にするほどだった。

 シューズも北京用に試作されたスポンジ製足底を使用。メーカー担当者は「左右のバランスもいい。全部で3、4種類用意する」と、女子で史上初の五輪マラソン連覇がかかる快挙をバックアップする。「いい印象をもって、これからのマラソン練習に入っていけます」。北京の大気汚染すら吹き飛ばすほど、視界が開ける。

(山田貴史)

★野口の今後

 20日から標高1300メートルの長野・菅平で約3週間の合宿。その後、高地ながらフラットな路面の中国・昆明で約2週間の合宿を張る。藤田監督は「アップダウンをやって足を頑丈にする。北京の路面は硬いが、それに耐える筋力をつける」とハードな練習を課す。その後、北京で五輪コースを試走。さらに、スイス・サンモリッツで高地合宿を張り、五輪直前の北海道合宿を経て、レース本番(8月17日)の約4日前に北京入りする予定。

★藤原新75位 気合入れ直し

 北京五輪の男子マラソン代表補欠の藤原新(JR東日本)は、10キロ付近で早々と先頭集団から離された。75位の結果に「いい走りはできないと思っていた」と苦笑い。2位で代表候補に名乗りを上げた2月の東京マラソン以降、心身ともに疲労が重なり、十分な練習を積めていなかったという。4月20日には北京での五輪テスト大会を途中まで走ったが、「気合が入っていなかった。これから合宿に入るし、いいきっかけにしたい」と気合を入れ直した。

◆マラソン日本記録保持者の高岡寿成(カネボウ)は9位、トラック種目での北京五輪出場は視野に入れず

「順位には満足いかないけど、タイムも2分台だったし、いまの時期としては悪くない。あくまでマラソンで勝負したい」