2008年05月01日 更新

【テニス】錦織、ソニーと3年3億円の所属契約発表

ソニーと所属契約を結んだ錦織は、さわやかな笑顔で会見に臨んだ(撮影・北野浩之)

ソニーと所属契約を結んだ錦織は、さわやかな笑顔で会見に臨んだ(撮影・北野浩之)

 男子テニスで日本選手として史上2人目のツアー優勝を果たした錦織(にしこり)圭(18)が4月30日、ソニーとの所属契約を発表した。契約期間は3年間、契約金は年間1億円に出来高が加わる(金額は推定)。4月28日付の世界ランキングで99位まで浮上し、北京五輪出場にも意欲を見せた。

 日本男子テニス界の救世主が、世界のソニーからバックアップを得た。テレビカメラ約15台、報道陣100人が集結した会見で、錦織はウエア姿で登場。華麗な素振りを繰り返すたびに、無数のフラッシュを浴びた。

 「ソニーは世界最高峰のブランド。(契約は)誇りに思うし、信じられない気持ち。世界のトップを目指したい」

 ソニーがスポーツ選手と所属契約を結ぶのは、女子プロゴルフの上田桃子(21)に続き2人目。5歳でテニスを始め、若くして世界で活躍する錦織のチャレンジ精神が、同社の企業姿勢と合致。創業者・盛田昭夫氏の弟で、日本テニス協会会長の正明氏が私財で設立した盛田テニス基金の援助により、錦織が13歳で米国にテニス留学した縁もある。

 4月末のバミューダ・オープンを制し、松岡修造(20歳11カ月)の記録を塗り替えて日本男子史上最年少となる18歳3カ月でのトップ100入り(99位)。北京五輪出場権が決まる6月9日付の世界ランキングまで試合数が少なく、ポイントを稼いで順位を上げることは難しい状況だが、周囲が後押しを開始した。

 錦織のマネジャーは国際テニス連盟(ITF)に北京五輪の推薦出場の申請を行った。日本テニス協会も推薦する方針だ。ランクで出場権を得られなかった中から、ITFが選手の実力や地域バランスなどを考慮して決定する、6枠ある推薦枠入りを狙う。これで五輪への道は、今以上にクリアに見えてくる。

 「五輪は4年に1度。小さいころから夢見てきた。チャンスがあれば出場したい」。男子の国別対抗戦・デビス杯も出場済みで、日の丸を背負う責任の大きさも知っている。経験と若さを武器に、錦織が男子テニス界の歴史を塗り替えていく。

(江坂勇始)

★錦織TALK

 −−契約について

 「すごくうれしい。ソニーは世界最高峰のブランド。ナンバーワンというイメージ。自分も世界のトップを目指したい」

 −−注目度が高い

 「自分じゃないみたい。アメリカにいるときはこんなに多くの人たちが集まることはない。注目されるのはうれしい」

 −−北京五輪について

 「五輪は4年に1度で小さいころから夢見てきた大会。チャンスがあれば出場したい」

 −−トップ100入り

 「大きな壁だと思っていたので、こんなに早くなれるとは思っていなかった。今年中に50位以内に入りたい」

 −−プレースタイルは

 「一定のプレーは好きじゃない。ドロップショットとかいろんなショットを使うのが自分のスタイル。サーブが課題」

 −−4大大会について

 「クレーコートはいろんなショットを使わないといけないので、全仏が一番好き。将来いつか優勝してみたい」

 −−やりたいことは

 「ゆっくりしたいけど、スケジュールが詰まっている。しゃぶしゃぶを食べたい」

■錦織の今後

 米ミシシッピ、ブラデントンで行われるツアー下部のチャレンジャー大会に出場予定だが、5月19日に開幕する全仏オープン予選に備え、欠場する可能性もある。ソニー関係者は「4大大会で優勝した場合、とてつもない金額を用意する」と特別ボーナスを予告。ちなみに、単の全仏優勝賞金額は100万ユーロ(約1億6000万円)。

■北京への道

 6月9日付の世界ランキングで決定する。単の出場枠は64人。上位56人(1カ国・地域4人まで)に出場権が与えられるが、実際は70位程度がボーダーラインとされているため、99位の錦織は権利獲得が難しい状況。残る8人は国際テニス連盟(ITF)がランクで出場権を得られなかった中から、選手の実力や地域バランスなどを考慮して決定する推薦枠が6人、そのほか委員会の推薦枠が2人となっている。

■桃子の場合

 今年2月にソニーと所属契約を結んだ上田桃子も契約期間は3年間で、契約金は年間1億円に出来高が加わる(金額は推定)。2月5日に行われた会見でソニーは、米ツアーに参戦する桃子に対し、同社の最新鋭機器を駆使してバックアップするとした。