2008年04月08日 更新
【テニス】女王が日本をテコ入れ!伊達公子さん12年ぶり「挑戦」

現役復帰会見後、練習を公開する伊達公子。(撮影・千村安雄)
日本人最高の世界ランク4位になった元プロテニス選手の伊達公子(37)が7日、12年ぶりとなる現役復帰を宣言した。世界のトップが集うツアー大会への挑戦は考えておらず、「若手の刺激になれば」と説明。復帰戦は29日開幕のツアー下部大会、カンガルー杯(岐阜)で、ダブルスで出場する。伊達は自動車レーサーのミヒャエル・クルム(38)と結婚しており、日本テニス協会の登録名は本名の「クルム伊達公子」となる。
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あいにくの雨にも、伊達の表情は晴れやかだった。練習拠点とする東京・東伏見の早大コートにブルーのウエアで登場。12年ぶりに現役復帰する胸の内を明かした。
「ブランクがどれだけ大きいかは認識しています。もう一度、世界に行きたいとは考えていません。若手の刺激になればと思っている。自分の体と相談しながらやっていきたい」。突然の復帰宣言に、テレビカメラ11台が駆けつけた。世界トップが集うWTAツアーに参加する意思はない。自身の引退後、衰退の一途をたどる日本女子テニスへのテコ入れが目的。そのため「復帰」よりも「挑戦」という表現を好んで用いた。
1996年11月に26歳で引退。その後は普及活動や解説者としてテニス界に貢献したが、今年3月に転機が訪れた。グラフ、ナブラチロワとエキシビション試合で対戦し「継続してテニスをやりたい気持ちが大きくなった」。昨年9月から週6日、1日2時間の練習を重ね、体力も回復した。
引退時は1年間の3分の2は海外を転戦し、テニスに嫌気がさしたという。それから11年の月日がたち、「テニスと向き合えるようになった」と余裕も出た。さっそく、4月末のカンガルー杯から若手とペアを組み、ダブルスに出場。「若い人は技術はあるけど、実戦で生かし切れていない。心構えを教えたい」と意欲的だ。自らの手で「第2の伊達」を育てつつ、11月の全日本選手権はシングルスでの出場も視野に入れる。
2001年に結婚したドイツ人レーサーの夫、ミヒャエル・クルムも理解を示してくれた。最近は疲れて台所に立てない日もあったが、「彼が“料理はしなくていい”って」と照れ笑い。登録名を戸籍同様「クルム伊達公子」に変更し、再スタートを切る。
(浅井武)
■伊達 公子(だて・きみこ)
1970(昭和45)年9月28日、京都市生まれ、37歳。6歳でテニスを始め、園田学園女子高卒業後、プロ転向。94年1月に日本人初の世界ランクトップ10入り。最高ランクは4位。国内ツアー5度、海外ツアー2度で通算7度優勝。1メートル63
★伊達の今の実力は?
関係者によると、大学トップレベルの園田女大の選手と練習していても引けを取らない。ツアー下部大会でなら十分に戦えるという見方が多い。伊達の恩師で日本テニス協会の小浦武志強化本部長は「コートの上でしか伝えられないことがあるだろう」と復帰を後押し。強化本部長の立場として「今の伊達に勝てないようでは、若い選手も情けない」と奮起を促した。
■今後の予定
伊達は公式戦に出場するため、日本協会と国際連盟にプロ登録を申請中。近日中に許可される見通しで、復帰3戦はダブルスで出場する。カンガルー杯(4月29日〜5月4日、岐阜)で奈良くるみ(16)=大産大付高、福岡国際女子テニス(5月6〜11日、福岡)は土居美咲(16)=JITC、久留米市ベストアメニティ杯(5月13〜15日、久留米市)は高岸知代(23)=ダンロップ=とペアを組む。秋はシングルスに移行し、東京有明国際女子オープン(10月28日〜11月2日、有明)、全日本選手権(11月9〜16日、有明)に出場する予定。
■現役復帰した大物選手
★テニス
2003年に引退したマルチナ・ヒンギス(スイス)は05年に復帰。06年にイタリア国際で優勝
★バスケットボール
1993年に引退したマイケル・ジョーダン(米国)は、MLB挑戦を経て95年にブルズに再入団。98年に2度目の引退後、01年にウィザーズ入りして復帰
★サッカー
90年に37歳でブラジルリーグ・フラメンゴを引退したジーコ(ブラジル)は翌91年に鹿島で復帰。93年にJリーグ第1ステージ優勝
★プロボクシング
28歳で引退したジョージ・フォアマン(米国)は38歳で復帰。94年には45歳で20年ぶりに世界ヘビー級王座を獲得
★夫のクルムはスーパーGTで活躍中
ミヒャエル・クルム(38)はドイツ出身のレーシングドライバー。1994年に来日し、同年の全日本F3選手権年間王者を獲得。全日本GT選手権(現スーパーGT)では97年と03年に年間王者に輝く。今季も柳田真孝と組んで、ニッサンGT−Rで参戦し、開幕戦(鈴鹿)でポールポジションから2位入賞。Fニッポンは2000年ランキング2位。昨季、「やり残したことがあったら将来、後悔する。GTなどで得た経験を生かしてFニッポンで頑張って」と公子夫人に励まされ、6年ぶりに参戦した。
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