2008年04月08日 更新
【F1】混乱必至!モズリーFIA会長“SM騒動”で退陣濃厚

SMプレー騒動で窮地に立たされたFIAのモズリー会長。F1の運営にも影響しそうだ(AP)
ナチスドイツが強制収容所で行った拷問をまねたSMパーティーに興じている写真を英紙に掲載され、辞任を求める声が高まっている国際自動車連盟(FIA)のマックス・モズリー会長(67)=英国。本人は会長続投に強い意欲を示しているが、6日には続報でさらなる醜態を報じられ、退陣が濃厚になった。モータースポーツ最高峰のF1では会長の意向による規定改定を来年に控え、GP開催への影響は必至だ。
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世界130カ国、222の組織を束ねるFIAの会長をめぐる前代未聞の不祥事。会長が自己弁護のために招集を求めた臨時総会は今月中にも開かれる見込みだが、呼ばれる側の各国自動車連盟からは辞任を求める声が続出。約2億円の経費がかかるという総会の開催にも反対の声が多い。
1993年の会長就任から4期目を迎え、“独裁者”の悪名高いモズリー氏だが、F1では数々の改革を断行。予算問題では小規模なチームの参戦を促して2006年のスーパーアグリ参入を実現したほか、同年には交通安全に最も寄与した組織としてブリヂストンを表彰するなど、日本でもおなじみの敏腕会長だ。
F1では開発費高騰を抑えるため、すでにエンジン開発を凍結し、来季は自ら推進してきた環境に優しい新規定も導入される。空力性能が実用車とかけ離れたF1は市販車開発へのメリットがないとして、“低性能化”も予定。技術力をアピールしたいメーカーの反対にも、独裁者ならではの指導力を発揮してきた。改革半ばで辞任となれば、混乱は必至だ。
「個人の趣味でとどまるべき合法行為が、違法な取材で暴かれ、辞任を求められるのは筋違い。すでに70の連盟と団体が私を支持している」と主張する会長に、BMWとメルセデスや各国連盟は反発。「事件が長引けばF1の権威が失墜し、興行収入にも影響する」と懸念し、続投しても混乱は避けられない状況だ。
元大臣で、のちに英国ファシスト連合を設立した父と、社交界の華として著名な母を持ち、自身はオックスフォード大を卒業して弁護士に。エリート社会では“英国のヒトラー”と悪名高い父の影に悩まされたが、レース界では家庭環境に触れられることもなく、「レースの世界だけが安住の地だった」と語っていたモズリー氏。「安住の地」は永遠に失われ、F1も迷走を余儀なくされようとしている。
(石原有記)
■SM事件の経緯
3月28日に売春婦5人と5時間のSMパーティーに興じたモズリー会長の姿を、同30日付の英日曜紙が写真入りで掲載。会長はF1のバーレーンGP来場を中止する一方、辞任を否定し、自己弁護のためにFIA臨時総会の招集を呼びかけた。だが、ナチスをまねたプレーを行ったとの報道にホンダやトヨタなどのF1チームや、各国連盟が不快感を表明。名誉棄損で会長から告訴された同日曜紙は6日、売春婦を証人として紙面に登場させ、ビデオ映像をFIAに提出すると発表した。
★モズリー会長の後継は?
モズリー氏の独裁者ぶりから、具体的な後継候補はいない。しかし、同氏は04年に会長を引退する意向を示したことがあり、当時は、FIAと近い関係にあるフェラーリのトッド代表(現顧問)やルノーのブリアトーレ代表、マクラーレンのデニス代表らが後継者に挙がった。デニス氏は昨季のスパイ問題でFIAと犬猿の仲にあり、ブリアトーレ氏は数々の“女性遍歴”で有名。第一線を退いたトッド氏が有力だが、F1がさらにフェラーリに有利な運営となる可能性もある。
★スーパーアグリ秋田氏「辞任すべき」
スーパーアグリの経営母体であるエー・カンパニーの秋田史代表取締役は7日、サンケイスポーツの取材に「(モズリー会長は)世界的な立場にいる人だけに、辞任すべきでしょう」と語った。しかし、同会長はスーパーアグリがF1に参入した際、「F1の世界へようこそ。私も自分がマーチ(1970年に初参戦したF1チーム)を創立した当時を思い出している」と歓迎してくれた人物。珍事件発生に困惑しているようだった。
★人種差別撲滅キャンペーン中止?次戦スペインGP
F1で人種差別撲滅キャンペーンが予定されている次戦の舞台・スペインで、グラシア自動車連盟会長は6日、「キャンペーンは行われない」と宣言した。会場となるバルセロナ郊外のサーキットでは2月の合同テストでF1初の黒人選手、ハミルトンが人種差別ヤジの被害に。FIAのモズリー会長の意向でキャンペーン実施が決まったが、会長がナチス風のSMプレーに興じていたことで、同国では会長批判が高まっている。
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