2008年03月23日 更新

【大相撲】2場所連続で千秋楽が熱い!朝青龍、相星決戦に気合

さぁ、千秋楽決戦だ! 朝青龍(左)が、鋭い立ち合いをみせて魁皇を圧倒。元気が戻った(撮影・竹村明)

さぁ、千秋楽決戦だ! 朝青龍(左)が、鋭い立ち合いをみせて魁皇を圧倒。元気が戻った(撮影・竹村明)

 春場所14日目(22日、大阪府立体育館)4場所連続7度目の優勝を狙う白鵬(23)と、4場所ぶり22度目の賜杯獲得を目指す朝青龍(27)の両横綱がともに2敗を守った。優勝は先場所に続いて千秋楽の横綱同士の相星決戦で決まる。2場所連続で横綱同士の千秋楽相星決戦が行われるのは、平成7年春、夏場所の貴乃花−曙以来、13年ぶり。白鵬は大関琴光喜(31)を、朝青龍は大関魁皇(35)をそれぞれ寄り切った。(観衆=8000)

 もう、負けは許されない。屈辱の2連敗を喫していた朝青龍が、開き直ったように、鋭い立ち合いをみせて完勝だ。

 「2日続けて負けて、悔しくて、悔しくてね。いい相撲を取ろうと思ってやった。(白鵬が目の前で勝って)気持ちも高まった。足が前へ出たし、先に攻めたのがよかった」

 スピード感あふれる動きで魁皇を圧倒し、白鵬との相星決戦へ気勢をあげた。連敗した2日間の腰高の立ち合いではなく、気合がほとばしった。右上手を取り、相手に上手を与えず、引きつけて寄り切った。

 前日、訴えていた左足の張りも取れたそうで、気持ちにも余裕があった。「東京から先生(トレーナー)に来てもらい、(治療を)やってもらったら、全然違う。(相星で)千秋楽か、楽しみだね。ゆっくり休んで、うまくやるだけだね」。初場所の1敗での相星決戦は、白鵬に上手投げで敗れており、3連覇を許した。2場所出場停止から復帰した朝青龍はあと一歩で優勝を逃し、この場所にはリベンジもかかる。

 1場所15日制となった昭和24年以降、2場所以上連続の同一カードによる相星決戦は過去4度。そのうち連勝したのは、58年名古屋、秋場所で千代の富士を連破した隆の里だけ。

 帰りの車に乗る前には、強気の横綱らしさものぞかせた。朝青龍の母校で、4年ぶりに選抜高校野球に出場した明徳義塾野球部(高知)・馬渕史郎監督(52)からは「ぜひ、優勝してほしい」とメッセージも届いた。「うん、むこう(野球部)にもがんばってほしいと伝えてくれよ」。グラウンドと土俵。勝負の舞台は違っても、先輩の威厳を示してみせる。

(赤堀宏幸)

◆魁皇

 「左を差しても、右の攻めが出せなかった。早く勝ち越しても、連敗していたら意味がない」

◆北の湖理事長(元横綱)

 「(相星決戦になるのは)ほかの力士が(両横綱に)ついていくのが難しいから。相星決戦は1回で決まるのがいい。目いっぱい力を出し切れる。白鵬は先場所のように右四つがっぷりに組みたいだろうが、朝青龍は上手を取って動きにいくと思う。どちらが先に攻め切れるか。これまでの流れは関係ない」

★白鵬、相星決戦に「慣れてきた」

 白鵬は突っ張りあいから、半身になった琴光喜を左腕でつって下ろすと、最後は両前みつを引いて寄り切った。「今場所は流れがいい。千秋楽もその流れで相撲が取れればいい」。取組後には、支度部屋で徳島後援会の後藤田正純衆院議員らから激励を受け、決戦ムードが高まった。それでも、本人は終始リラックス。2場所連続して朝青龍との千秋楽相星決戦に「慣れてきた気がする」と余裕の笑みを浮かべた。

■横綱相星決戦

 横綱同士が2場所続けて千秋楽に相星で優勝をかけて対戦するのは、15日制が定着してから5組目。過去の例は昭和51年九州場所と52年初場所の北の湖−輪島、56年夏、名古屋場所の北の湖−千代の富士、58年秋場所から3場所続いた千代の富士−隆の里、平成7年春、夏場所の貴乃花−曙。なお、千代の富士−隆の里は、隆の里が大関の昭和58年名古屋も含むと4場所連続だった。

■初場所の相星決戦

 互いに千秋楽を13勝1敗で迎えた。白鵬は右張り差しから右四つに組み止めて、土俵際まで追い込み、最後は左からの豪快な上手投げで破った。朝青龍も強烈な引きつけで何度かつりをみせたが、力尽きた。白鵬は2場所出場停止処分が明けた朝青龍に、「休んでいた横綱には負けられなかった」と、3連覇を遂げた。

★日本人力士のホープ・稀勢の里が給金

 日本人力士のホープ、稀勢の里が平成18年九州場所以来となる三役での勝ち越しを決めた。左四つから旭天鵬の下手投げを土俵際でしのぐと、上手を引きつけて寄り切った。「危なかった。最後は必死でした。う〜ん、よかった」と大きく息をついた。千秋楽で琴奨菊を破り、来場所の新関脇を決められるか。「最後ね。しっかり取りたいですね」と気力をみなぎらせた。

★把瑠都は自己最多タイの11勝目

 把瑠都は幕内では自己最多に並ぶ11勝目を挙げ、満面の笑み。千代大海には昨年の九州場所で完敗。優勝争いと大関挑戦の緊張感で何もできなかったが、今回は「あれから、いろんなことを経験した」と冷静だった。踏み込んで左四つに組み止め、寄り切った。初場所は、途中休場を除いて初の負け越しを喫したが、力強さを取り戻し「千秋楽も自分の相撲を取って、12勝を挙げる」とキッパリ。

【名言迷言】

◆目指すは幕内自己最多の11勝。高見盛は三賞の話題に

 「そういうことは言うな。考えたくない。無欲ってやつだから」

★琴乃峰が引退…若貴や曙と同期

 元横綱貴乃花、若乃花、曙、大関魁皇らと同じ昭和63年春場所初土俵で元十両の琴乃峰(35)=本名堀内篤実、佐渡ケ嶽部屋=が今場所限りで現役を引退することが22日、わかった。

 63年夏場所で曙に初黒星をつけた琴乃峰は、初土俵から所要85場所で平成14年夏場所に新十両。小兵ながらしぶとい相撲で十両には通算4場所在位した。最近は右ひざの故障が悪化し、西三段目77枚目の今場所は2日目の1番相撲を最後に休場。「素晴らしい同期生に恵まれたし、思い出はたくさんある」とし、断髪式は24日に兵庫・伊丹市で行う。

■記録メモ

 ▼幕内700回出場 海鵬が記録。現役10位。同1位は魁皇の1180回。

■各段優勝

 舛ノ山(ますのやま=7戦全勝)本名加藤大晴、17歳。西46枚目、千葉・栄町出身、千賀ノ浦部屋。平成18年名古屋場所初土俵。得意は突き、押し。1メートル77、150キロ。