2017.11.15 05:02

【記者の目】今回もできなかった「大同団結」

【記者の目】

今回もできなかった「大同団結」

特集:
日馬富士・暴行問題
稽古場から部屋に戻るとき報道陣に囲まれる日馬富士=福岡県・太宰府天満宮(撮影・中島信生)

稽古場から部屋に戻るとき報道陣に囲まれる日馬富士=福岡県・太宰府天満宮(撮影・中島信生)【拡大】

 大相撲の横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜部屋=が10月の宴席で、東前頭8枚目の貴ノ岩(27)=貴乃花部屋=に暴行を加えて大けがを負わせていたことが14日、分かった。

 力士が一枚の番付を上げるために身を削る思いで闘っている土俵がある会場の一室で、暴行事件を起こした現役横綱の師匠が事情聴取を受けている。理事長以下、師匠、親方、そして日馬富士。「相撲人」の視線はどこへ向いているのだろう。

 力士にとって何より大切な「本場所」の最中。この15日間だけは、汚してほしくなかった。

 今後、この案件を調査する鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は被害届を受理した鳥取県警から2日に連絡を受けた。3日に当事者の師匠に知らせたが、両師匠は詳細を掌握していなかった。初日(12日)までのモラトリアムで事態を深刻に受け止め、踏み込んで沈静化させようとする力は働かなかった。

 なぜなら、貴ノ岩の師匠、貴乃花親方は10月末の時点ですでに被害届を提出しているのだから。

 過去の暴力事件、八百長疑惑問題などで血を流し、学習したはずだ。事にあたった際の「大同団結」は今回もまた、できなかった。この日、日馬富士が謝罪した対象のなかに肝心の「貴ノ岩」の名前は出てこない。この“本質”をつかんでいないことがさみしい。(大相撲担当・奧村展也)

  • 稽古を終え、報道陣の取材に応じる横綱日馬富士関=福岡県太宰府市
  • 貴乃花部屋に謝罪に訪れた日馬富士。険しい表情を崩さなかった。右には、「暴力追放」と書かれたのぼりが掲げられていた(撮影・仲道裕司)
  • 宿舎を出て貴乃花部屋へ謝罪に向かう日馬富士関=福岡県太宰府市
  • 14日朝、稽古に向かう横綱日馬富士関=福岡県太宰府市
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