6R、攻める村田諒太(右)=両国国技館(撮影・山田俊介) プロボクシング・WBA世界ミドル級タイトルマッチ(22日、東京・両国国技館)挑戦者で同級1位の村田諒太(31)=帝拳=が、王者のアッサン・エンダム(33)=フランス=に7回終了TKO勝ち。5月20日に東京・有明コロシアムで行われた王座決定戦では、攻勢だったにもかかわらず1-2で判定負けし採点が物議を醸したが、再戦でリベンジ。念願の世界王者に輝いた。
ボクサー人生をかけた再戦だった。笑みを浮かべながらリングインした村田は、左右に動き回るエンダムに対し、前へ出る圧力を前回以上に強くした。序盤は右ストレートにこだわらず、左ボディーを中心に攻めた。エンダムのスタミナを奪う、理想的な展開だった。
不可解な採点による判定で敗戦を喫した5月の王座決定戦の反省から、相手にポイントを与えない失点防止を徹底。確実にポイントを稼ぎながらダウンを奪う、文句なしの内容で完全決着を目指した。
約2年前から元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士氏(48)の指導を受け、自ら専用トレーニング器具を購入。目の前を動く物体の動きを追い続ける動体視力、立体的な遠近感をつかむ立体視能力などの向上や視野の拡張に励んだ。スピードを生かした豊富な手数、サイドステップで角度をつけたパンチを武器にするエンダム対策としても、総合的な視力のアップは十分に機能した。
汚名返上のためWBAは、今回は厳選したレフェリー、ジャッジを派遣してきた。レフェリーはケニー・ベイレス氏(米国)。2015年5月のメイウェザー-パッキャオ戦などを裁いた実績を持つ。ジャッジではラウル・カイズ・ジュニア氏(同)は前回の対戦で唯一、村田の勝ちと採点したラウル・カイズ・シニア氏の息子。ロバート・ホイル氏(同)は15年10月の河野公平-亀田興毅戦で勝った河野を支持。いずれも公正中立な人物だった。
2012年ロンドン五輪金メダリストが異例のダイレクトリマッチ(他選手との試合を挟まない再戦)で、因縁に終止符を打った。村田が日本選手初の五輪メダリストのプロ世界王者となり、1995年の竹原慎二以来、2人目のミドル級世界王者に君臨した。