2017.8.11 11:30(1/2ページ)

【乾坤一筆】白鵬から漂ってくるのか…“大横綱の香り”

【乾坤一筆】

白鵬から漂ってくるのか…“大横綱の香り”

特集:
ベテラン記者コラム・乾坤一筆

 1年前も暑かった。直射日光が肌を刺し、街はかすんだように白っぽくみえ、黒いネクタイをした襟元に汗がたまった。大相撲の元横綱千代の富士の前九重親方、秋元貢さんが昨年7月31日に急逝(享年61)。直後の慌ただしい数日間を思い出す。

 横綱白鵬が7月の名古屋場所で、その千代の富士が残した通算勝利(1045勝)を抜き、元大関魁皇の最多記録(1047勝)も超えて新記録を打ち立てた。1050勝まで更新した白鵬は、あと44勝と迫る「幕内1000勝を目指し頑張りたい」と胸を張った。

 大記録はレガシーとして残る。だが、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)で得た記憶は少しずつ薄まっていく。その五感のなかで、最も色あせずに記憶と結ぶ感覚は「嗅覚」といわれる。嗅覚以外は脳の視床へ届き情報を統合、整理するが、嗅覚だけは感情や本能を支配する大脳辺縁系へ直接向かい刻まれるからだ。脳内での情報処理は同時に価値の取捨選択、簡素化などがなされるため、80%の情報を得る視覚で得た記憶の正確性は半年を持たずに50%まで下がる。一方、最も原始的な機能といわれる嗅覚に触発されてよみがえる記憶の正確さは1年後でも65%以上を保つという研究結果もある。

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