2016.10.19 05:00

【記者の目】「選手」か「経費」か…作業部会設置で方向性探る基盤ができることは歓迎

【記者の目】

「選手」か「経費」か…作業部会設置で方向性探る基盤ができることは歓迎

 選手第一(アスリートファースト)はIOCにとって譲ることのできない理念であり、経費削減はIOCにも開催都市にも喫緊の課題だ。だが今のところ、この2つの価値が衝突したとき、どうバランスを取るかのマニュアルなどはない。

 経費削減に大きく舵を切る「アジェンダ2020」を導入したバッハ会長だが、小池知事との会談では「アスリートこそ五輪の心であり魂」と選手第一を強調した。ともすればコストに重点が偏りがちな状況の中、バランスを戻そうとしたといえるだろう。

 都やIOCなど4者による作業部会に、知事は国内、国際競技団体を交える意向を示し、選手側の考えを聞く姿勢を強調した。作業部会で誰もが納得する結論に至るかは未知数だが、方向性を協議により探る基盤ができることは歓迎したい。

 今後の協議から、東京が新たな標準を作ることができるか。経費高騰で2024年五輪の招致を断念する都市もある中、新標準ができれば五輪全体へのかけがえのないレガシー(遺産)となるだろう。 (五輪担当・只木信昭)