地元の熱狂的な声援を力に変えた。男子100メートルバタフライでライバル藤井を抑え、日本新記録で優勝した河本は「期待がある中でどれぐらいの力を出せるかをテーマにした。いい記録が出せて満足している」。10月で30歳になるベテランは、さわやかな笑顔で観客席に手を振った。
前半からスピードに乗った。50メートルの折り返しは23秒54。50メートルの日本記録が23秒45だから、快調なペースだった。後半もしっかりと水をとらえて進み「ここ数年取り組んでいる(上下運動を抑えた)フラットな泳ぎができたと思う」と誇らしげだった。
ベテランを支えるのは「もっと速く泳ぎたい」との純粋な思い。「肉体的にも自信があるし、自分が結果を出すことで、日本の競泳界の競技寿命が延びればとの思いもある」と言う。米アリゾナ州のクラブと日本を往復して強化を続け、今夏は英国の大学チームの練習に交じって練習もした。
若林コーチは「彼は経験がある分、何をすればいいのか分かっているのが強み。(自分で)枠をつくらないし、年齢なんて気にしていない」。ロンドン五輪出場を目標に、異色スイマーの挑戦は続く。